2012 Fiscal Year Research-status Report
切迫早産例に対する本邦独自の治療法を見直し、効率的な治療戦略を確立するための研究
Project/Area Number |
24592463
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
米田 哲 富山大学, 大学病院, 講師 (30345590)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 滋 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (30175351)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 切迫早産 |
Research Abstract |
A群(早産群:より適切な治療と娩出時期を見直すことで早産予後を改善可能と考えられる群)の分娩前羊水検査で病原微生物検出率は32%(33例/103例)であった。特に、ウレアプラズマ属と細菌との重複感染症例(14例)では、子宮内炎症(羊水中IL-8)が有意に高い特徴がみられ、早産予後が不良(妊娠期間の有意な短縮が認められた。)であった。ウレアプラズマ属の子宮内感染症例に対しては通常使用するセフェム系あるいはペニシリン系の抗菌薬では効果がないため、アジスロマイシン系の抗菌薬を使用することで早産予後改善に期待できる可能性があると考察される。 また、胎胞形成を認めるような頚管無力症は超早産の可能性が高いが、黄体ホルモン製剤の投与により妊娠期間の延長効果が認められる可能性があることを報告した。 B群およびC群に関するmaintenance tocolysisの有効性に関する検討に関しては、31.2%の割合で治療終了直後に分娩に至っており、これらの症例こそ本邦独自のmaintenance tocolysis治療が有効であった切迫早産症例であるが、羊水中の炎症(IL-8)が軽度に上昇している可能性、および妊娠中期の最短子宮頚管長が10mmを切っている可能性が見いだせている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
早産予後改善目的のA群に関しては、ウレアプラズマ属の感染例で予後不良であることが判明した。今後はこの迅速システムの特徴を活かし、ただちに治療を開始することで早産予後の改善に期待したい。 また、プロゲステロン製剤は抗炎症効果が指摘されているため、炎症が少なからず存在している切迫早産症例に対して有益性が高い可能性があることを見いだせた。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.A群(早産群)の予後改善が可能かどうかを見極めれるように症例数を増やすと同時に、現在ウレアプラズマ属の子宮内感染に有効とされているアジスロマイシンの点滴投与を積極的に行い、子宮内炎症と感染という観点から結果を解析。 2.プロゲステロン製剤が超早産予後の改善に寄与している可能性に関しても症例数を増やし検討すると同時に子宮内の炎症マーカーについても検討する。 3.maintenance tocolysisの有効性に関する検討に関しても今後症例数を増やすと同時に子宮内の炎症マーカーについてさらに解析を続けることでより有効な症例を的確に抽出できるか再検討予定。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|
Research Products
(4 results)