2013 Fiscal Year Research-status Report
切迫早産例に対する本邦独自の治療法を見直し、効率的な治療戦略を確立するための研究
Project/Area Number |
24592463
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
米田 哲 富山大学, 大学病院, 講師 (30345590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 滋 富山大学, 富山大学大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (30175351)
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Keywords | 切迫早産 / 新生児予後 |
Research Abstract |
A群(早産群:より適切な治療と分娩時期を見直すことで早産予後を改善可能と考えられる群)の入院時羊水検査(患者同意のもと施行)結果から、病原微生物検出率は38%(41/108)であった。特にウレアプラズマ属・マイコプラズマ属が関与している場合には、子宮内の炎症が強く惹起されやすく、妊娠維持機構が破綻しやすいという大きな特徴があることがわかった。また、現在までに切迫早産例に対する抗菌薬の有効性は証明されていないが、病原微生物陽性例に対して適切な抗菌薬を投与し、陰性例には投与しないほうが、妊娠期間の延長効果につながる可能性を発表した(日本産婦人科学会シンポジウ2014.4.18)。 B群およびC群に関しては、本邦独自のmaintenance tocolysisの有効性を直接示す検討に関しては、昨年までにまとめた結果(31.2%で治療終了直後に分娩に至っており、羊水中の軽度の炎症、頚管熟化が関与)のままであるが、頚管熟化を抑制する可能性としてプロゲステロン筋注が関与している可能性を見出せた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A群早産予後改善には、羊水中の病原微生物の有無を正確に把握し、陽性例に対して抗菌薬を使用し、反対に陰性例には使用しない管理方法が約2週間の妊娠期間の延長効果がある可能性を見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.組織学的絨毛膜羊膜炎と羊水中IL-8値との相関に関して、英語論文にまとめている。 2.H26年度中にmaintenance tocolysisが有効な症例に関する検討に関しても英語論文にまとめる予定である。 3.切迫早産に対する抗菌薬の適切な投与による妊娠期間の延長効果(約2週間)は、本邦特有の切迫早産管理(諸外国に比べ比較的症状が軽いケースが対象となり、かつ、maintenance tocolysis施行がメイン治療)だからこそ、有益性が見出せる可能性があるため、症例数を増やして検討予定(可能なら多施設共同研究)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ほぼ計画に沿って使用できている。 次年度で使用予定。
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