2014 Fiscal Year Annual Research Report
着床期子宮内膜血流量の新規評価法の確立及び不育症の原因解明と治療効果判定への応用
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24592479
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
尾崎 康彦 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50254280)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 不育症 / 習慣流産 / 着床 / 抗リン脂質抗体症候群 / プロテオリシス / メタロプロテアーゼ / カルパイン |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】Matrix metalloproteinase(以下MMP)は、ヒト生殖において妊娠初期の維持や胎盤形成に重要であることが報告されている。MMP-2及びMMP-9は主に4型コラーゲンからなる基底膜を分解するため、妊娠初期の栄養膜細胞の浸潤に関与している。我々は反復流産病態におけるMMP-2及びMMP-9の存在と意義について検討した。 【方法】倫理委員会の承認を受けインフォームドコンセントの得られた反復流産患者を対象とし、妊娠初期の子宮頸管粘液及び流産手術時に得られた子宮内容組織を実験に使用した。子宮内容組織は絨毛染色体検査正常群と異常群に分け、免疫組織染色法及びELISA法にてMMP-2及びMMP-9の存在と局在を検討した。ELISA法にて子宮頸管粘液中のMMP-2及びMMP-9の発現と妊娠帰結との関連を検討した。 【成績】免疫組織染色法では反復流産組織の脱落膜、絨毛の細胞質に抗MMP-2抗体、抗MMP-9抗体の染色性が観察された。ELISA法では、脱落膜組織において絨毛染色体検査正常群(n=7)では異常群(n=10)よりMMP-9の発現は有意に高く(p<0.05)、MMP-2の発現は有意に低かった(p<0.05)。絨毛組織においてはMMP-2及びMMP-9の発現は絨毛染色体検査正常群(n=7)と異常群(n=10)で有意差は認めなかった。子宮頸管粘液におけるMMP-2の発現は、流産群(n=19)と生児獲得群(n=18)とでは有意差は認めなかった。子宮頸管粘液におけるMP-9の発現も流産群(n=20)と生児獲得群(n=19)では有意差は認めなかった。 【結論】MMP-2及びMMP-9が原因不明の反復流産病態に関与している事が示唆された。そのメカニズムとして子宮内局所における好中球活性化によるMMP-9の増加や脱落膜組織障害によるMMP-2の低下が考えられた。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Repression of cathepsin E expression increases the risk of mammary carcinogenesis and links to poor prognosis in breast cancer2014
Author(s)
Kawakubo T, Yasukochi A, Toyama T, Takahashi S, Okamoto K, Tsukuba T, Nakamura S, Ozaki Y, Nishigaki K, Yamashita H, Yamamoto K
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Journal Title
Carcinogenesis
Volume: 35
Pages: 714-726
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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