2014 Fiscal Year Annual Research Report
絨毛外絨毛細胞によるらせん動脈リモデリングにおけるmiR-210の機能の検討
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24592483
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
板倉 敦夫 順天堂大学, 医学部, 教授 (70262897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 健 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (80286103)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リモデリング異常 / マイクロRNA / ケモカイン / 絨毛外栄養膜細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸素濃度によって絨毛細胞の表現型が変化することはすでに知られているが、分子レベルでのメカニズムは十分に明らかとされていない。そこでmiRNAが関与していると考え、網羅的検索から標的分子を明らかとして機能解析を行った。 絨毛外栄養膜細胞株であるHTR-8/Svneoを2%, 20%の酸素下で培養し、増殖能、浸潤能を確認したところ、2%酸素下で増殖能は変化せず、浸潤能が低下したことにより、酸素濃度による表現型の変化が示された。次に異なる酸素濃度下でのmiRNA, mRNAの発現変化をマイクロアレイ法で検討し、細胞浸潤能に関与するmiRNAと標的分子候補をIPA®を用いて抽出した。準備段階ではmiR-210が関連miRNAであると考えていたが、このmiRNAは浸潤能に影響する標的分子との関連は薄く、関与するmiRNAはmiR-135b、標的分子をケモカインであるCXCL12と考えて解析を進めた。HTR-8/SvneoにmiRNA-135bを過剰発現、siRNAで発現抑制を行ったところ、過剰発現で浸潤能の低下、発現抑制では変化が見られなかった一方、CXCL12の発現はそれぞれ減少、増加がみられた。CXCL12の中和抗体を添加培養したところ、HTR-8/Svneoの浸潤能は抑制された。ルシフェラーゼアッセイでmiR-135bがCXCL12のプロモーター領域で、発現調節をしていることを確認した。 絨毛細胞浸潤不全によるらせん動脈のリモデリング異常が妊娠高血圧腎症の原因とされている。今回の検討で明らかとなったmiR-135bとその標的分子であるCXCL12は、絨毛細胞の浸潤メカニズムに大きく影響することから、今後妊娠高血圧腎症でのmiR-135bとCXCL12の発現を確認することにより、妊娠高血圧腎症発症の予知や発症予防にもつながる可能性がある。
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Research Products
(4 results)