2013 Fiscal Year Research-status Report
アンドロゲン誘導マウス多嚢胞性卵巣における卵母細胞成熟の基礎的研究
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24592492
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Research Institution | Kansai University of Health Sciences |
Principal Investigator |
畑村 育次 関西医療大学, 保健医療学部, 教授 (80336883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中塚 映政 関西医療大学, 保健医療学部, その他 (30380752)
櫻井 威織 関西医療大学, 保健医療学部, その他 (40624127)
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Keywords | PCO(Polycystic Ovary) / セロトニン / 顆粒膜細胞 |
Research Abstract |
多嚢胞性卵巣症(Polycystic Ovary Syndrome,PCOS)は、月経異常,多嚢胞性卵巣,血中男性ホルモン高値またはLH基礎値高値かつFSH基礎値正常を満たす疾患で体内環境ホルモンの異常で生じるが原因の解明はされていない。本研究においてはステロイドホルモンの一種であるアンドロゲンをマウスに投与しPCOを作製し、その卵巣内環境ホルモンの異常がどのように卵母細胞成熟に関与するのかをセロトニンを中心に組織学的および分子生物学的に検討している。平成25年度は4-5日齢の雌マウスに、アンドロゲンの一種であるTestosterone propinate(TP)をゴマ油とエタノール(9:1 v/v)に溶解したものを、0.5~1.0mgを腹腔に1回注射をおこなって5週齢経過以降の個体よりPCOを作製した。そのPCO組織においてセロトニン、およびセロトニン最終合成酵素と知られるDDC(Dopa decarboxylase)、セロトニン合成の律速段階酵素であるTPH-1(Tryptophan-5-hydroxylase)の免疫染色をおこなったところ、PCOの組織においてコントロール組織と比較すると、その発現様式に違いを認めた。セロトニンの染色においては正常組織においては夾膜には染色するが、卵胞の顆粒膜細胞には染色されず、一方PCO組織においては異常に嚢胞化した卵胞の顆粒膜組織においてセロトニンの発現が強くなっていた。同様にTPH-1、DDCの染色においても染色の強弱はあるが同じ分布を示していた。そのセロトニン受容体の種類の検索を行うためにセロトニンレセプター5-HT2A、5-HT2B、5-HT7遺伝子などの受容体の染色を行っているが、本年度に関してはきれいに染色されなかった。引き続き染色を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PCO(Polycystic Ovary)モデルマウスを作製する際ほぼ2ヶ月弱要するが、必ずしも100%作製できる訳ではなく、また胎児に腹腔内投与を行うため感染症になりサンプルが都合良く採取できないことがあり目的の個体数がとれない、また卵巣組織が小さく免疫染色の条件を整えるのに時間がかかっており、予定より少し遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
上述に記したようにモデルマウスの作製に当初計画していた匹数が得られずに研究がやや遅れているが、セロトニンが多嚢胞性卵巣になんらか関連しているのが、確認されているのでセロトニンの発現様式と卵胞成熟に関連するLH(Luteinizing hormone)、LHRとの発現様式の関係を中心に行っていく予定である。
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