2014 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シークエンサーを用いた子宮体部漿液性腺癌の網羅的トランスクリプトーム解析
Project/Area Number |
24592499
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
羽根田 健 東北大学, 大学病院, 助手 (10622433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 史彦 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20400343)
鈴木 吉也 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (30422116)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 漿液性子宮体がん / マイクロRNA / 次世代シークエンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
<平成26年度の実績>26年度ではUPSCの新たなバイオマーカーの開発を目指し血清を用いたトランスクリプトーム解析に着目した。近年、血清中に存在するエクソソームなどに内包されたマイクロRNA(miRNA)がより低侵襲的かつ非常に安定したバイオマーカーになるとして注目を浴びている。そこで我々はUPSC患者血清からRNA抽出を行い、それらを用いて高感度マイクロアレイによってmiRNA発現解析を行った。その結果、子宮頸癌CIS患者の発現を対象としてUPSC患者血清においてmiR-3164,miR-3119,miR-96等の発現上昇およびmiR-106a, miR-17, miR-130a等の発現減少が確認された。現在各miRNAの細胞機能の解析と共に、candidate target geneについて次世代シークエンサーを用いたトランスクリプトーム解析を実施中である。ただし本検討では症例数が少なくプール血清であるため今後は症例数を増やし臨床病理組織学的相関や組織でのトラスクリプトームの結果などとの詳細な比較・検討を加える必要があると考える。 <研究期間全体>本研究においてUPSC検体の病理学的評価およびRNA抽出をし、2種類の次世代シークエンサーを用いて機種選定をすることができた。UPSCは非常に稀な疾患であるため今回用いることができた症例はごく僅かであり、次世代シークエンサーで得られたDataは現在解析中である。今後は早急にデータ解析を進めると同時に症例数を増やして統計学的に有意なUPSC特異的な異常を見出すこと、またそれらが血清から検出可能かどうか検討する必要がある。本研究はUPSC患者における次世代シークエンサーを用いたトランスクリプトーム解析の研究であり、今後UPSCの発癌・進展メカニズムの解明や新規のバイオマーカー開発に重要な意義をもつ成果であったと考えられる。
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