2014 Fiscal Year Annual Research Report
ポリコーム複合体による卵巣癌幹細胞のエピジェネティクな遺伝子制御機構の解明
Project/Area Number |
24592502
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
須藤 毅 山形大学, 医学部, 医員 (70466605)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 俊文 山形大学, 医学部, 講師 (20302292)
倉智 博久 山形大学, 医学部, 非常勤講師 (40153366)
太田 剛 山形大学, 医学部, 助教 (50375341)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 卵巣癌 / 癌幹細胞 / ポリコーム複合体 / 薬剤感受性 / ハニカム膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では癌再発の原因として注目されている癌幹細胞を樹立し、卵巣癌幹細胞における薬剤耐性化の分子機構を解明し、新たな分子標的治療の開発を目指した基礎的研究である。以下の研究を行っている。 我々は癌幹細胞の樹立方法としてstem cell culture法を行った。卵巣癌細胞株A2780をマウスの皮下に接種し、腫瘍形成後、摘出腫瘍をstem cell culture mediumで培養し、sphere形成細胞を分離し、Cancer stem-like cell (CSLC)とした。 A2780細胞から樹立したCSLCをA2780 scとした。またA2780はマウスに形成した腫瘍を摘出後、再度腫瘍の形成を認めた。この腫瘍も同様にstem cell cultureを行い、CSLCを樹立し、A2780 sc recとした。A2780, A2780 sc, A2780 sc recにおける幹細胞マーカーの発現をwestern bolttingで検討したところ、A2780 sc, A2780 sc recではA2780と比較してSox2の発現増強を認めた。 ポリコーム複合体(PcG)であるBmi-1, EZH2の発現はそれぞれの細胞株で差を認めなかった。さらにそれぞれの細胞株にCDDPを投与し、cell viabilityをMTS assay法で検討した。A2780とA2780 scではシスプラチン感受性は同等で、A2780 sc recではA2780に比較してシスプラチン感受性が増強していた。 また我々は、均一な多孔性膜であるハニカム膜を用いて、卵巣癌幹細胞の樹立も行っている。現在までハニカム膜により卵巣癌細胞の増殖能が抑制されることは分かったが、癌細胞の樹立にまでは至っていない。今後、癌幹細胞の特徴である増殖能力が低いという観点からハニカム膜を用いて癌幹細胞の樹立したいと考えている。
|