2014 Fiscal Year Annual Research Report
癌間質線維芽細胞を標的とした新たな子宮内膜癌治療戦略の開発
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24592507
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
水本 泰成 金沢大学, 大学病院, 助教 (00420331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京 哲 島根大学, 医学部, 教授 (50272969)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 子宮内膜癌 / 癌線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
手術にて摘出した子宮の凍結標本よりLaser Capture Microdissectionにて抽出した正常線維芽細胞(Normal Fibroblast,NF)および癌線維芽細胞(Cancer Associate Fibroblast,CAF)由来のRNAを用いてcDNAマイクロアレイにて遺伝子発現の差を検討した。3検体の比較検討でCAFにおいて2倍以上発現亢進を認める遺伝子を69個、1/2以下の発現低下した遺伝子を42個同定した。 CAFにおいて再現性をもって低下を認めた分泌型蛋白IGFBP6をCAFによる子宮内膜癌制御の候補遺伝子として解析を行った。子宮内膜癌においては組織内に高濃度のIGF-2を認め、これが子宮内膜癌の増殖に促進的に働いていると考えられている。我々がこれまでにin vitro遺伝子導入で樹立してきた子宮内膜癌細胞株(EM4-KRAS-PR)を用いたin vitro実験系にてIGF-2の添加により増殖促進が確認された。IGFBP6はIGF-2と結合することで競合的にIGF-2の作用を抑制するメカニズムが想定され、この増殖促進はIGFBP6の添加にてキャンセルされた。 CAFにおけるIGFBP6分泌低下がIGF-2依存性子宮内膜癌細胞の増殖に関与している可能性が示めされた。癌の生存に有利な微小環境の維持にCAFが関わっており、CAFをターゲットとした子宮内膜癌治療戦略の有効である可能性が示唆された。
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