2012 Fiscal Year Research-status Report
子宮内膜癌幹細胞の解析と難治性癌治療法開発への応用
Project/Area Number |
24592508
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 充宏 金沢大学, 大学病院, 助教 (50377397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京 哲 金沢大学, 医学系, 講師 (50272969)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 子宮内膜癌 / 幹細胞 / 低酸素 |
Research Abstract |
本年度は子宮内膜癌幹細胞の分化能に関する検討を行った。 患者の同意を得た上で採取した正常子宮内膜上皮細胞にヒトパピローマウイルス(HPV)のOncogeneであるE6/E7、テロメレースの触媒サブユニットであるhTERT及びK-RAS遺伝子を導入し子宮内膜癌細胞を樹立した。この細胞をマウスの皮下に接種にしたところ腫瘍の形成が認められ、組織学的に検討したところ癌組織だけでなく血管組織を構築していた。この血管を構成している内皮細胞を血管内皮細胞マーカーである抗ヒトCD31抗体に染まったことから、この細胞はヒト由来であり癌細胞から血管内皮細胞に分化している可能性が示唆された。さらに手術検体から採取した子宮内膜癌組織をマウスの皮下に接種し形成された腫瘍を病理学的に検討したところ、腫瘍の周囲にマウス由来の血管とは違った血管様の組織構築が認められ、抗ヒトCD31抗体と抗ヒトvWF抗体の両者で染色が認められたことより、これらの細胞がヒト由来であることが確認された。そこで癌幹細胞との関係を検討するため、子宮内膜癌細胞を癌幹細胞マーカーであるCD133を用いて陽性、陰性細胞に分離しIn vitro Endothelial Tube Formation Assayにて血管内皮細胞への分化について検討を行った。その結果CD133陽性細胞が血管様構造を構築したのに対し、陰性細胞では認められなかった。また血管内皮細胞に発現しているVEGFR--1の発現を検討したところCD133陽性細胞での発現が亢進していた。 以上の結果から癌細胞から血管内皮細胞への分化、そしてその分化には癌幹細胞が関与している可能性が示唆された。癌幹細胞をターゲットとした治療法の開発が必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの実績、知見などから計画した実験が概ね予想通りの結果を生んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に得られた結果を基に、更なる分子生物学的解明を加え、癌幹細胞をターゲットとするべく重要な因子を同定する。同定した因子をターゲットとする治法の確立を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞培養、フローサイトメトリー、マイクロアレイ、動物実験に使用する予定である。尚、平成24年度に予定していたマイクロアレイを次年度に行うこととしたため、それに伴う費用は次年度へ繰り越した。
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