2013 Fiscal Year Research-status Report
生体機能検査を用いた子宮肉腫の病態解明の試みと治療法の模索
Project/Area Number |
24592509
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉田 好雄 福井大学, 医学部, 教授 (60220688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡沢 秀彦 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50360813)
黒川 哲司 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (60334835)
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Keywords | 子宮肉腫 / エストロゲン受容体(ER)イメージングPET / 低酸素 / 糖代謝 |
Research Abstract |
【背景と目的】我々は、子宮腫瘍の良悪性鑑別のため、[F-18]fluoroestradiol (FES)によるPETが有用であることを報告してきたが、筋腫・肉腫の鑑別にもエストロゲン受容体(ER)密度の評価が重要であるかを検討した。【方法】婦人科内診、US、MRI等の一般検査により、子宮肉腫の疑いと診断された47人の患者を対象に、[F-18]fluorodeoxyglucose (FDG)およびFESによるPET検査を行った。2種類のPET検査は1週間以内の間隔で施行され、事前にMRI検査も施行された。PET検査終了後、子宮摘出術が施行され、病理組織学的診断により最終診断とした。組織標本ではさらに、ER,プロゲステロン受容体(PR), グルコーストランスポーター(GLUT1), Ki67等の免疫組織学的解析も加え、PET薬剤集積と免疫組織染色スコアの相関を検討した。【結果】対象とした47人の患者のうち、33人は子宮筋腫、14人が子宮肉腫であった。FES集積は筋腫群で有意に高く、FDG集積は肉腫群で有意に高値であった。各腫瘍でFDG/FES比を算出すると、肉腫群で有意な高値を認めた。免疫組織染色スコアとの相関では、FES集積はER、PRと有意な相関を示したが、ERとは相関しなかった。FDG集積はGLUT1, Ki67との相関を示した。FDG/FES比はER、PRと逆相関を示し、GLUT1, Ki67とは正の相関であった。【結論】FES集積はER発現を反映し、肉腫の特徴であるER発現の低下を描出することで、良悪性の鑑別に有用であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子宮筋腫・肉腫における、FDG集積率/FES集積率は、子宮筋腫・肉腫の何の生物学的特性を反映するかを明かにする。に関しては、分子イメージング部門の中で最も権威ある雑誌であるアメリカ核医学学会雑誌に掲載された。 18F-FES and 18F-FDG PET for differential diagnosis and quantitative evaluation of mesenchymal uterine tumors: correlation with immunohistochemical analysis. Zhao Z, Yoshida Y, Kurokawa T, Kiyono Y, Mori T, Okazawa H. J Nucl Med. 2013 Apr;54(4):499-506. doi: 10.2967/jnumed.112.113472. Epub 2013 Mar 7.
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Strategy for Future Research Activity |
子宮肉腫は比較的まれな疾患であることから、病態を解明するには、動物モデルを作製することが重要となってくると思われる。そこで今後はは、(1)GFP陽性ヒト子宮筋肉腫細胞株を樹立し、(2)樹立した細胞株を用いたマウス転移モデルを作製する。そして、(3)PETを指標としたヒト子宮肉腫の発生・転移の機序を分子生物学的に解明する。
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