2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592511
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水野 美香 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (50588837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 清住 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90335026)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 癌幹細胞 / 子宮頸癌 / CD133 |
Research Abstract |
癌細胞の中に自己複製能と多分化能を有する少数の癌幹細胞が存在し,この細胞が起源となり癌組織を形成していると考えられている.癌幹細胞は抗癌剤や放射線治療に対し抵抗性を示し,さらにこれらオンコジェニックストレスにより悪性化能を獲得するため,癌治療のターゲットとして注目されている.近年様々な癌種において癌幹細胞の同定の試みの報告がなされているが,子宮頸癌では未だ癌幹細胞に関連する報告はない.今回我々は子宮頸癌において癌幹細胞を同定し,子宮頸癌の治療法の中心となる放射線感受への関与について検討した. 【方法】幹細胞の同定法としてHoechst33342を用いたside population(SP)を選択した.子宮頸癌細胞株HeLa cellをfluorescence-activated cell sorting(FACS)を用いてSP細胞とnon-SP(NSP)細胞に分離し,Western blottingにて癌幹細胞関連因子の発現を比較検討した.in vivoの実験として、分離されたがん幹細胞/SP細胞とNSP細胞をそれぞれをBalb/c ヌードマウスに皮下移植する事により、まずprogenitor cellとしての特性を確認する。さらに、放射線の感受性において確認を行う 【結果】SP細胞ではWestern blottingにおいて癌幹細胞関連因子(CD133,CXCR4,Oct3/4)の発現がNSP細胞と比較し有意に増加しており癌幹細胞を多く含んだ細胞集団であることが強く示唆された。SP細胞ではNSP細胞と比較し放射線照射後に有意なコロニー数増加と,サイズの増大を認めた.さらに、ヌードマウスのSP細胞皮下腫瘍モデルにおいて放射線照射によるアポトーシス関連蛋白の発現がNSP細胞に比較して抑制されていた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回子宮頸癌のHela細胞株を用いて分離したSP細胞では癌幹細胞関連因子(CD133,CXCR4,Oct3/4)の発現がNSP細胞と比較し有意に増加しており、この集団は癌幹細胞を多く含んだ細胞集団であることが示唆された。FACS vantage, MACS(Magnetic sorting system)を用いて婦人科癌細胞株からCD133+細胞を分離し、更にSphere形成法を併用する事によって、より純度の高いがん幹細胞が分離・同定も施行中である。しかしながら、分離したSP細胞の処理が非常に困難であり、再現性の確認に時間を費やしている。今後の実験系の工夫を再検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)癌細胞の同定法として今回Hoechst33342を用いたside populationを用いたが、現在、子宮頸癌細胞株(Hela,Shiha,caski)を用い、再現性および、他の細胞株でも同様な結果を得られるか確認していく。FACS vantage, MACS(Magnetic sorting system)を用いて婦人科癌細胞株からCD133+細胞を分離し、更にSphere形成法を併用する事によって、より純度の高いがん幹細胞が分離・同定・維持できると考えている。 2)また、放射線および抗がん剤投与による癌細胞株の耐性を誘導し、その細胞株から、癌幹細胞の特徴を有することを確認し、同定を行う。 3)婦人科癌・癌幹細胞の上皮間葉転換誘導と形質変化の検討 子宮頚癌・がん幹細胞におけるoncogenic stress (低酸素、抗癌剤、放射線)を克服するメカニズムを検討する。分離したがん幹細胞と非がん幹細胞の両方において上記のストレスを与える事によるEMT関連蛋白の変化(上皮系マーカー、間葉系マーカー)、EMT調節因子であるSnail, Slug, SIP-1, TWIST 等の変化、細胞形態の変化について検討する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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