2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592511
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水野 美香 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (50588837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 清住 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90335026)
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Keywords | 子宮頸癌 / 癌幹細胞 / 放射線治療 |
Research Abstract |
研究目的;子宮頸癌の癌幹細胞の同定と治療耐性への関与、特に癌幹細胞が放射線耐性のメカ二ズムとの関連を探索する。 背景:癌細胞の中に自己複製能と多分化能を有する少数の癌幹細胞が存在し、癌細胞の起源と考えられている。さらにこれらは、治療抵抗性を有し、この幹細胞を治療のターゲットとすることで治療成績の向上が予測される。 結果:1.前年度に引き続き、in vitro;ヒト子宮頸癌細胞株Helaを用いて、Side population(SP)による癌幹細胞の富集団と考えられる細胞検出。SP細胞群でnon-SP細胞群に比して cancer stem markerであるといわれているCXCR4, Oct3/4, CD133,SOX2の発現が有意であること確認。この2群で再度培養し、side populationで、2群の分化傾向を確認、また、細胞増殖能をMTS assayを用いSP群でより高いviabilityを確認。in vivoでヌードマウスに2群のがん細胞を移植、腫瘍の生着、および増大・進行状態を継時的に確認。2.この2群の放射線による影響を変化を検討。照射前と照射後による各郡の細胞の形態変化,cell viability,アポトーシスの差を検討。これらによりSP群では照射後でも増殖能は衰えず、cell viabilityも高く、アポトーシスの細胞の頻度が低いことが確認された。3.各SP,nonSP群で照射群と非照射群において、DNA損傷の修復に関わるG2 checkpointのgatekeeperの一つで、放射線感受性に関与するといわれているWee1の発現を検討。SP群において非照射時、照射時ともにNSPより高発現を示し、Wee1がSPの放射線耐性の関与が示唆。4.方向性を変え癌幹細胞の樹立を検討中
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SP細胞の集団が癌幹細胞の性質を多く有していることが様々な方法で確認されてきたが、このSP細胞分離が非常に難航し、時間を費やし、安定しない。ヒト子宮頸癌細胞株に放射線照射することにより、耐性を獲得した細胞を樹立する方向で再検討している。また、放射線耐性に関与する因子、機能に着目し、特にヒト内膜癌細胞株で放射線耐性にepithelial-mesenchymal transition(EMT)が関連が報告されており、ヒト子宮頸癌細胞株でも検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
1)Hela以外のヒト子宮頸癌細胞株を用いて同様にSide population(SP)による癌幹細胞の富集団と考えられる細胞を検出し、Helaと同様に癌幹細胞の性質を有するような結果を得られるか確認 2)引き続き放射線耐性、および抗癌剤シスプラチン耐性株を樹立を試み、得られた細胞に癌幹細胞の性質を有するか否か検討していく。 3)前述したようにヒト頸癌細胞株での放射線耐性とepithelial-mesenchymal transition(EMT)が関連を追及していく。
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