2014 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科がんと周囲微小環境を標的とした複合的がん免疫療法の開発
Project/Area Number |
24592512
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柴田 清住 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90335026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶山 広明 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00345886)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 癌免疫療法 / 癌抗原 / 難治性卵巣癌 / ペプチドワクチン療法 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性卵巣がんである明細胞腺癌に対してGlypican-3(GPC3)ペプチドワクチン療法の臨床第II相試験を継続して行っており、現在までに89症例で治療を行ったが、重篤な副作用はなく順調に試験を遂行している。臨床成績は寛解症例に対するアジュバント療法群においては本年度に再発を認めた症例は1例もなく全症例で10回の投与が可能であった。化学療法併用群は本年度は2例の症例追加にとどまった。1例はパクリタキセル、1例はイリノテカンとの併用で行った。進行・再発症例に対する検討では本年度は6例に投与を行い、1例の腹膜播種再発において部分寛解の効果を認めた。免疫学的解析の結果、進行・再発群においてELISPOT assayによるGOC3特異的CTLの誘導と、全生存期間との間に相関を示唆するデータを得ており、症例数を増やし有意差を検討する。その他IL-6、IL-8、IL-10など免疫抑制系サイトカインとCTL誘導との間の相関の検討の結果、CTL誘導の不十分な症例群において血清中のIL-8の増加を認めた。新規癌抗原の同定の研究として我々はKIF20Aをターゲットとした。卵巣癌組織におけるKIF20Aの免疫染色の結果、全卵巣癌の90%に発現を認め、特に抗癌剤抵抗性の明細胞腺癌、粘液性腺癌ではいずれも100%の発現を認め、ペプチドワクチン療法の新規ターゲットになり得ると考えられた。また、卵巣癌細胞株を用いたKIF20Aの機能解析の結果、KIF20Aは卵巣癌細胞の増殖に関与していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)