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2013 Fiscal Year Research-status Report

マウス蝸牛におけるAPC蛋白の発現の検討-アクチン配列の制御と障害回復との関係-

Research Project

Project/Area Number 24592538
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

香取 幸夫  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20261620)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 川瀬 哲明  東北大学, 医工学研究科, 教授 (50169728)
工藤 貴之  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (80451590)
KeywordsAPC蛋白 / 蝸牛 / ラセン靭帯 / 細胞骨格 / 音受容
Research Abstract

昨年度に引き続き、マウス成体の内耳におけるAPC蛋白の局在に関して、凍結切片上で抗APC蛋白ポリクローナル抗体を1次抗体として用い、免疫蛍光抗体法による評価を行った。
蝸牛においては蓋膜付着部に近いinter dental cellとラセン靭帯近くのtype 2 fibrocyteに強い発現を認めた。音受容の際に振動するコルチ器の細胞外基質を係留する蝸牛の細胞群にアクチン配列を規定するAPC蛋白が発現し、同蛋白により調節される細胞骨格の配列が蝸牛コルチ器の剛性を担うことから、APC蛋白が音受容に重要な分子である可能性が示唆されます。しかしながら、私達の現在までの実験では、2000年代初期に英国のTuckerらのグループが示唆しているpillar cell基部での発現がまだ確認できていません。この部分はコルチ器の形成期において最もAPC蛋白を発現することが示されています。私達が実験に用いているマウスが6週齢以降であることから、今回の実験法の検出限界を下回るAPCタンパクの発現になっている可能性があります。PCR等、より感度の高い検出法を用いる必要があるかもしれません。
一方、前庭ではsupporting cellならびにdark cellの領域に発現が認められました。hair cellを含む前庭感覚上皮の剛性の調節にAPC蛋白が関与していることが示唆されました。今後、同様の抗体を用いて免疫電子顕微鏡の実験に取り組み、内耳におけるAPC蛋白の分布の詳細を半定量的に評価することを計画しています。
また、直接的な試料や薬品の使用はありませんが、本研究の実験中に得られた内耳・中耳の形態に関する知見を参考に、次項にあげる2編の論文作成に役立てています。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

APC蛋白の局在をようやく光学顕微鏡レベルで明らかにすることが出来たが、発生期の内耳による検討や電子顕微鏡レベルでの観察で結果を未だ結果を出せていない。APC蛋白の局在の検討に至適な抗体を得ておらず、実験条件によっては多くのバックグラウンドの染色(非特異的染色)が生じることから、観察結果により慎重な評価が必要となっている。
また、現時点では凍結切片上での免疫組織化学しか結果を得られておらず、パラフィン包埋試料での免疫組織化学によるAPC蛋白の局在の検討が出来ていない。安定してマウス胎児試料や電顕試料(包埋後染色)を扱うためには、パラフィン包埋試料のようにある程度ホルマリン固定・加熱処理した標本でのAPC蛋白に対する免疫組織化学が出来るようにする必要があるが、至適な抗体が入手出来ていない状況である。

Strategy for Future Research Activity

現在までに得られている所見は光学顕微鏡レベルのものであるが、過去に明らかにされていない内耳におけるAPC蛋白の局在部位を示しており、実験の再現性と信頼性を、出来れば複数の抗体や異なる免疫染色法を用いて慎重に評価する。
発生期のマウス内耳でのAPC蛋白の発現について評価を進め、また電子顕微鏡レベルで(細胞小器官レベルでの)APC蛋白の発現を検討することにより、同蛋白の内耳での機能の解明の一助とすることを目指す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度下半期に予定していた実験・研究が、研究代表者の勤務施設異動により遅延、ペースダウンしたことにより251,949円の次年度使用額の生じた。
平成26年度の実験・研究、とくに最終年度前半の動物実験に費用に加算・充当して使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014 2013

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] Change in endocochlear potential during experimental insertion of a simulated cochlear implant electrode in the guinea pig.2014

    • Author(s)
      Oshima H, Ikeda R, Nomura K, Yamazaki M, Hidaka H, Katori Y, Oshima T, Kawase T, Kobayashi T
    • Journal Title

      Otology and Neurotology

      Volume: 35 Pages: 234-240

    • DOI

      10.1097/MAO.0b013e3182a36018.

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Fetal development of the elastic-fiber enthesis in the human middle ear.2013

    • Author(s)
      Takanashi Y, Shibata S, Katori Y, Murakami G, Abe S, Rodriguez-Vazquez JF, Kawase T
    • Journal Title

      Annals of Anatomy

      Volume: 195 Pages: 441-448

    • DOI

      10.1016/j.aanat.2013.03.010.

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2015-05-28  

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