2013 Fiscal Year Research-status Report
片側人工内耳例に対するセカンドインプラントの効果推定検査:ポジトロン断層法の応用
Project/Area Number |
24592554
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
東野 哲也 宮崎大学, 医学部, 教授 (80145424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛迫 泰明 宮崎大学, 医学部, 助教 (10185001)
長町 茂樹 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40180517)
永野 由起 宮崎大学, 医学部, 助教 (50404405)
奥田 匠 宮崎大学, 医学部, 助教 (60404456)
福留 真二 宮崎大学, 医学部, 助教 (80404458)
後藤 隆史 宮崎大学, 医学部, 助教 (20600612)
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Keywords | 後迷路機能評価 / 人工内耳 / 高度感音難聴 / PET-CT / 電気蝸牛刺激検査 |
Research Abstract |
人工内耳は高度難聴者の聴覚回復を可能とした画期的な難聴治療法であるが、その効果はらせん神経節細胞から聴覚中枢に至る後迷路の状態に依存する。これまで高度難聴者の後迷路機能評価には蝸牛電気刺激試験による聴覚心理学的評価が行われてきたが、客観性に乏しく、小児には施行不能であった。また、蝸牛電気刺激によるfunctional-MRI (fMRI)でも聴覚中枢の活動を画像で判断できたが、長い検査時間と検査時騒音などから対象が限定的であった。一方、ポジトロン断層法(PET)は検査時間の短縮が可能で、入眠下の施行もできることから、成人だけでなく小児においても後迷路機能評価、即ち人工内耳の装用効果予測に適する検査法と考える。 本研究の目的は、音声などの刺激による聴覚中枢の活動をPETで評価することにより、人工内耳の装用効果予測や、片側人工内耳装用者の対側後迷路機能診断法を確立することである。 平成25年度は人工内耳手術予定の高度感音難聴の成人3例と小児2例で同意が得られ、定常状態(非刺激下)での脳FDG-PETと、予定術側耳からの電気刺激下または人工内耳挿入側からの音声刺激下の脳FDG-PETを施行した。結果を同年齢のコントロール症例と比較して、刺激の有無で脳糖代謝が有意に低下または増加している領域を画像統計処理(SPM)した。何れの症例でも定常状態での聴覚野での有意な脳糖代謝の低下はみられなかった。また、電気または音声刺激時にも、定常状態と比較して有意な糖代謝の上昇はみられなかった。各症例各々について、①非刺激時とコントロール群の比較、②電気または音声刺激時とコントロール群の比較、③各自の非刺激時と電気刺激時の比較、ということで統計処理により比較を行ったが、いずれも有意差はでなかった。この理由について、症例の殆どが完全聾ではなく、わずかな残存聴力を有していたことが原因ではないかと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小児でのセカンドインプラントの効果予測法を確立することが本研究の主旨であるが、今年度の症例において同意を得て実施までたどり着けなかった。そこでまず、昨年と同様成人症例と、今年度は初回術前の小児例において、蝸牛電気刺激または音声刺激により脳の聴覚関連領域での糖代謝の増加がみられるかの確認の検査を継続した。これまでの6例では、明らかに有意な結果は得られなかったが、現在までの症例数では統計解析上困難である。研究承認後から終了期限までの目標数20例としているが、症例数の蓄積を待って検討を行なう予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も症例数を重ね、データの蓄積を図りたい。得られたデータは、聴覚関連の領域毎に別の方法で、例えば対一次視覚野との比較を行うなど、再度増加率を調べる方針である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、検査に対して同意を得られなかった症例などがあり、当初の見込みよりアイソトープの購入予定量が少なかったため、結果として92万弱の繰り越しとなった。 当初の目的である片側人工内耳小児例についても、検査を積極的に行うよう働きかけ、症例数の蓄積を図る。
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Research Products
(1 results)