2013 Fiscal Year Annual Research Report
肺炎球菌ワクチン導入前後の肺炎球菌急性中耳炎分離株の血清型の変化に関する研究
Project/Area Number |
24592559
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
山中 昇 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10136963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 真司 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10244724)
河野 正充 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (20511570)
保富 宗城 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90336892)
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Keywords | 肺炎球菌 / インフルエンザ菌 / 急性中耳炎 / 血清型 |
Research Abstract |
佐渡における急性中耳炎調査 急性中耳炎は難治例の増加が臨床的に問題となっている。欧米では感染症に対する予防治療の重要性から急性中耳炎のワクチン予防が勧められている。本邦においても2010年より7価蛋白結合型肺炎球菌ワクチン(PCV7)の臨床応用がなされている。われわれは、佐渡における小児急性中耳炎の疫学調査(SADOMS)を行っており、現在までの急性中耳炎の発症率および起炎菌について調査した。急性中耳炎患者の新潟県佐渡島にて各月1週間にわたりサーベイランス週間を設け0~18歳の急性病変にて小児科を受診した患者について急性中耳炎の発症率および鼻咽腔起炎菌を調査した。8283人の受診者のうち312人の小児が計354回の急性中耳炎のエピソードが診断された。1歳以下の小児が最も急性中耳炎罹患率が高かった。(0.54episodes/child/year)肺炎球菌では血清型19A,3,23A型が多数を占めた。Serotypingを行った122のインフルエンザ分離菌株のうち120株はnontypeable であり、2株のみb型であった。46%の肺炎球菌がペニシリン耐性株であった。約半数のインフルエンザ分離株はBLNARであった。小児科受診の4-5%が急性中耳炎と診断されそのなかには症状を訴えないものもあった。 肺炎球菌の耐性率、莢膜型の調査 上気道炎患者から分離された肺炎球菌251株についてPspA family、抗菌薬に対する耐性率、莢膜型について調査した。最多はPspA family2で49.4%が同定された。その次は44.6%のfamily 1であった。PspA1とPspA2には保菌者の年齢、性や分離部位、ペニシリンに対する感受性に有意な差がなかった。一方mefA遺伝子頻度や血清型15Bと19FはPspA2に有意に多かった。
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Research Products
(7 results)