2014 Fiscal Year Research-status Report
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24592562
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
比野平 恭之 昭和大学, 医学部, 准教授 (00238320)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 中耳真珠腫 / マイクロバイオーム / 組織学的検討 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、米国を中心として消化管や生殖器、皮膚組織などのマイクロバイオーム(microbiome、宿主に生存する微生物コミュニティの構成ゲノムの総称)を検討し、疾患の発生や予防機序に応用する試みが行われている。中でも肥満や糖尿病などの代謝疾患で研究が進んでいる。 中耳は気道粘膜の延長であり、中耳粘膜には種々の細菌が棲んでいるためマイクロバイオームが中耳炎の遷延化や中耳真珠腫の発症に関連している可能性が高い。しかしこれまでの所、マイクロバイオームと真珠腫の発症についての関連を研究した報告はない。本研究では真珠腫症例から手術時に得られた真珠腫組織のマイクロバイオームを解析し、真珠腫症例と非真珠腫症例で比較検討することにより、真珠腫組織で特異的に発現するマイクロバイオームを検出することを目的とする。 今年度は真珠腫症例、非真珠腫症例とも3症例から組織標本を採取した。真珠腫症例では真珠腫組織(真珠腫上皮とdebris)、非真珠腫症例では粘膜組織を検体とし組織表面の細胞を分離してDNAを精製し、PCR法を用いて細菌に特異的なPCR産物を得た。これをシーケンサーで解析して遺伝子配列を決定し、データベースを用いて真珠腫症例、非真珠腫症例それぞれにおける細菌腫の同定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
検体によるデータのばらつきが大きく、現在までの症例数では真珠腫症例に特異的なマイクロバイオームの同定が行えていない。検体数が少ないことと真珠腫症例、非真珠腫症例とも手術時に組織を採取するため細菌感染例が含まれているためと考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は関連病院からの紹介で真珠腫症例の手術数が増加し、検体が多く確保できる予定である。組織採取については、感染例などでは消炎を行ってから手術を行うなどの改善を行う予定である。
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Causes of Carryover |
検体組織数が少なく、PCR解析に伴う費用が見積もりより少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度は検体数の増加が見込まれるため、予算計画通りの執行が可能と考える。
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