2013 Fiscal Year Research-status Report
顔面神経麻痺患者のウイルス特異的免疫能-ワクチン接種による発症予防の基礎的研究-
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24592569
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
萩森 伸一 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (90291799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 京子 (高巻 京子) 大阪医科大学, 医学部, 助教 (40368105)
櫟原 崇宏 大阪医科大学, 医学部, 助教 (20624240)
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Keywords | 顔面神経麻痺 / 帯状疱疹ウイルス / ウイルス特異的細胞性免疫能 |
Research Abstract |
本研究の主たる目的は、顔面神経麻痺患者へのヘルペス属ウイルス(単純ヘルペスウイルス(以下HSV)および水痘・帯状疱疹ウイルス(以下VZV)の関与を検証すると同時に、宿主のウイルス特異的免疫能、特にVZVについては液性免疫、細胞性免疫両面から検討・評価することで、顔面神経におけるウイルス再活性化、顔面神経麻痺の発症メカニズムを解明することである。平成25年度の研究では、当大学病院を受診した顔面神経麻痺患者のうち20名のVZV関連顔面神経麻痺(Hunt症候群およびzoster sine herpete)と57名のVZV非関連顔面神経麻痺(Bell麻痺)について、VZV特異的細胞性免疫能をELISPOT法で評価した結果、VZV関連顔面神経麻痺患者において、その発症直後には細胞性免疫能が低下しており、その後急速に上昇し、その後緩やかに低下することが明らかになった。発症直後は細胞性免疫能と発症からの日数は正の相関を呈した(r=0.65)。一方、HSV関連顔面神経麻痺患者にはこのような傾向は認められなかった (r=-0.19)。これらよりVZV関連顔面神経麻痺患者におては、発症初期にはVZV特異的細胞性免疫能が低下していることが明らかになり、VZV特異的細胞性免疫能の低下がHunt症候群やzoster sine herpeteの発症に深く関与している可能性が示唆された。これらの成果を2013 American Academy of Otolaryngology-Head & Neck Surgery Annual Meetingや第23回日本耳科学会総会・学術講演会、第36回日本顔面神経研究会にて発表するとともに、Facial N Res Jpn誌に投稿した(顔面神経麻痺患者における水痘帯状疱疹ウイルス特異的細胞性免疫能. Facial N Res Jpn 33: 78-80, 2013)。また英文雑誌への投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主たる目的は、顔面神経麻痺患者へのHSVおよびVZVの関与を検証すると同時に、宿主のウイルス特異的免疫能、特にVZVについては液性免疫、細胞性免疫両面から検討・評価することで、顔面神経におけるウイルス再活性化、顔面神経麻痺の発症メカニズムを解明することであるが、平成25年度ではさらにサンプル数を増やして(合計77症例)検討した結果、VZV関連顔面神経麻痺のVZV特異的細胞性免疫能の経時変化が明らかになり、VZV特異的細胞性免疫能の低下がHunt症候群やzoster sine herpeteなどのVZV関連顔面神経麻痺の発症に関与する可能性を改めて確認した。今後はこれをさらに検証するとともに、現在、これまでの結果をまとめて論文として欧米誌に投稿する準備を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
顔面神経麻痺患者のHSVおよびVZV特異的液性免疫、ならびにVZV特異的細胞性免疫能について引き続き検討するとともに、成果を学会にて発表(日本耳鼻咽喉科学会、米国耳鼻咽喉科学会(Florida)など)ならびに論文としてまとめ、欧米誌への投稿を予定している。また今年1月にわが国で水痘ワクチンの定期接種(公費接種)が決定したことから、VZV特異的免疫能をワクチン接種にて高めることはVZV関連顔面神経麻痺の予防になりうるかについても検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験器具およびそれにかかる経費が、既存のものを使用することで抑制されたから。 引き続き消耗品などの購入に当てるとともに、現在、研究成果をまとめており、その学会発表に際しての旅費・参加費および論文の校正および出版費用として充当する予定である。
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Research Products
(6 results)