2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒト鼻粘膜におけるロイコトリエンE4受容体ーP2Y12受容体の発現と役割
Project/Area Number |
24592576
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
白崎 英明 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30260772)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | P2Y12 / ロイコトリエンE4 / ムチン / 気道上皮細胞 |
Research Abstract |
ヒト鼻粘膜のP2Y12受容体の発現と局在について、免疫染色とウエスタンブロット法で解析し、研究成果は日本アレルギー学会の英文誌(Allergology International誌)に投稿しアクセプトされin pressの状態である。 ヒト気道上皮細胞株(NCI-H292細胞)をロイコトリエンE4にて刺激すると、細胞内カルシウムの上昇とともに分泌型ムチン(MUC5AC)の分泌が引き起こることを確認した。この結果は、今年6月にミラノで開催される欧州臨床免疫アレルギー会議ー国際アレルギー学会のジョイント会議で発表(ポスターディスカッション)予定である。 現在は、上記ロイコトリエンE4による気道上皮細胞からのムチン分泌がP2Y12受容体を介する反応か、あるいは他の受容体を介する反応かをRNA干渉による発現抑制実験にて確認している。 ロイコトリエン受容体にはCysLT1とCysLT2の2つの受容体が知られていが、両者の受容体はロイコトリエンE4には親和性はほとんどない。ちなみにCysLT1拮抗薬はすでに鼻アレルギーと喘息での臨床で広く使われている。この最近の研究は気道上皮細胞にロイコトリエンE4にて刺激するとムチン分泌が引き起こることを初めて明らかにしたものである。そのメカニズム(どの受容体を介した反応か)を今後検討することにより、慢性難治性気道疾患における新しい粘液分泌抑制薬の開発につながる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロイコトリエンE4が、気道上皮細胞の活性化(細胞内カルシウムの上昇)とムチン分泌を引きおこすことを世界で初めて確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
気道上皮細胞株を使って、ロイコトリエンE4によるムチン分泌がどの受容体を介した反応かをRNA干渉(siRNA)と各種拮抗薬を用いた実験で確認する。 細胞株のみならず、初代培養気道上皮細胞でも同様かを確認する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ムチンタンパクの測定キットや培養関係の試薬、siRNA関連の試薬等の物品の購入に主に研究費を使用する予定である。 素晴らしい結果が出た場合には、国際学会等で研究成果を発表し海外の研究者と意見交流を行いたい。
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Research Products
(3 results)