2013 Fiscal Year Research-status Report
ヒト鼻粘膜におけるロイコトリエンE4受容体ーP2Y12受容体の発現と役割
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24592576
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
白崎 英明 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30260772)
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Keywords | P2Y12 / GPR80/99 / MUC5AC / LeukotrieneE4 |
Research Abstract |
ヒト気道上皮細胞株であるNCI-H292細胞にロイコトリエンE4(LTE4)刺激でムチン分泌が起こり、その反応の一部がP2Y12拮抗剤で抑制されることを、昨年6月でミラノで行われたEAACI-WAO World Allergy & Asthma Congressで口演した。 前年度に行ったヒト鼻粘膜におけるP2Y12受容体の発現と局在に関する研究成果が日本アレルギー学会の英文誌に掲載された。 ヒト上皮細胞株からのLTE4によるムチン分泌のP2Y12拮抗薬に抑制効果は約半分であり、残り50%は、P2Y12受容体を介する反応以外の機序が考えられる可能性がある。昨年ハーバード大学のグループがGPR80/99受容体がもう一つのLTE4受容体である可能性を示唆する報告があったため、ヒト鼻粘膜でのタンパクレベルでのGPR80/99の発現と局在をウエスタンブロット法と免疫組織化学で確認した。 この最新の成果は、今年6月にコペンハーゲンで開催されるヨーロッパ免疫アレルギー会議で発表の予定である。 NCI-H292細胞を使ったLTE4によるムチン分泌の成果は、近日中に投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
世界で初めて、ロイコトリエンE4が上皮細胞に作用してP2Y12受容体を介してムチン分泌が引き起こることを発見したのみならず、もう一つのロイコトリエンE4受容体の可能性があるGPR80/99受容体がヒト鼻粘膜の上皮細胞と腺組織に発現していることを確認した。これらの結果は、P2Y12とGPR80/99受容体の拮抗薬が、まったく新しい気道炎症性疾患の治療薬になりうる可能性を示唆するものであると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
GPR80/99受容体は拮抗薬が存在しないため、siRNAを用いたin vitroの実験系を確率し、ロイコトリエンE4による気道上皮細胞株からのムチン分泌に対する抑制効果を確認したい。上皮細胞株のみならず、ヒト気管ないし鼻粘膜由来の初代培養上皮細胞を用いて、ロイコトリエンE4による腺分泌反応が引き起こるか確認したい。
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Research Products
(6 results)