2015 Fiscal Year Annual Research Report
エピゲノム制御機構の解析に基づく難治性慢性副鼻腔炎の病態解明
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24592582
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
吉川 衛 東邦大学, 医学部, 教授 (50277092)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | IFN誘導性遺伝子 / エピゲノム制御機構 / 慢性副鼻腔炎 / 線維芽細胞 / periostin |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性副鼻腔炎において,局所の線維芽細胞がどのような表現型の変化を起こしているのかについて検討するため,IFN誘導性遺伝子のIP-10, I-TACのプロモーター領域を中心にヒストンの化学修飾の変化を確認し,難治症例の副鼻腔粘膜由来の線維芽細胞でこれらの発現を増強させているヒストン化学修飾因子の同定を行った.特に興味深い変化のあったヒストンの化学修飾の種類を選び,クロマチン免疫沈降(ChIP)を行い,この変化がIFN誘導性遺伝子に特異的なものであるかについて確認した.さらに,線維芽細胞の表現型を変化させる因子について検討するため,副鼻腔粘膜と副鼻腔洗浄液を採取し, マルチプレックス・ビーズアッセイ(BD)と病理組織学的な手法による視点からスクリーニングを行ってみたが,研究期間内に表現型を変化させる因子の解明には至らなかった. 同時に,喘息を合併する慢性副鼻腔炎患者の副鼻腔粘膜および鼻茸組織中におけるperiostin(POSTN)と,その発現に関与するIL-13, TSLPの発現を解析し,慢性副鼻腔炎の病態との関連性について検討を行った.その結果,喘息を合併する慢性副鼻腔炎の病態においては,POSTNおよびTSLPが高発現していた.また,POSTNとIL-13およびTSLPの発現は組織中で相関することから,喘息を合併する慢性副鼻腔炎患者の組織中においては,IL-13によって組織構成細胞(線維芽細胞など)から発現誘導されたPOSTNがTSLPを誘導し,type-2炎症の増悪を引き起こすサイトカインサイクルが存在することが示唆された.
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[Journal Article] The usefulness of measuring tear periostin for the diagnosis and management of ocular allergic diseases.2016
Author(s)
Fujishima H, Okada N, Matsumoto K, Fukagawa K, Igarashi A, Matsuda A, Ono J, Ohta S, Mukai H, Yoshikawa M, Izuhara K
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Journal Title
J Allergy Clin Immunol
Volume: Epub ahead of print
Pages: 0
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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