2013 Fiscal Year Research-status Report
低容量抗癌剤と樹状細胞局所投与による新規免疫化学療法の開発
Project/Area Number |
24592592
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
増山 敬祐 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (30181663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 裕貴 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (40568250)
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Keywords | 癌免疫療法 |
Research Abstract |
当該年度の研究内容は、5種類の頭頸部扁平上皮癌細胞株(SAS, HSC4, Ca9-22, Gun-1,KUMA1)を用いたin vtroでの研究が中心であった。まずp53 mutationを確認した。LA-taqを用いて、1362bpのp53のPCR産物を作製しTAクローニングを行い、plasmid DNAを回収、シークエンスを調べた。既存の報告でHeLa細胞はwild type p53であることが分かっており、今回のシークエンスで変異が入っていないことを再確認。SASではA198V、HSC4ではR248Q、Ca9-22ではR248W、Gun-1ではR273H、KUMA1ではR249Sといずれもp53 mutationを確認できた。これらの中で、HSC4、Ca9-22、Gun-1細胞のp53 mutationはミスセンス変異であった。 RNAスプライシング調節タンパク質であるESRP1およびそのターゲット因子であるCD44v isoformはp53 mutationをもつ細胞株でその発現が上昇していることが分かった。CDDP, Taxotelの抗癌剤感受性の変化にESRP1がどう影響しているかを確認した。まずSAS、HSC4、Ca9-22細胞にESRP1に対するsiRNAを用いてknockdownを行った。 細胞増殖に関して有意差はなかった。SASおよびHSC4細胞を48hかけてESRP1をknockdown、その後IC50の濃度でCDDPおよびTaxotelで細胞を処理し、24h後の生細胞をクリスタルバイオレット法で調べたが、ESRP1 knockdownの有無でいずれの抗癌剤への感受性には有意な変化がなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は予定通り、in vitroでの抗がん剤感受性アッセイの系を立ち上げる事が出来た。さらに当科にある頭頸部扁平上皮癌細胞株におけるp53変異プロファイルを解析できた。 ただ25年度においては第一相臨床治験として当科で執り行われている進行頭頸部扁平上皮癌患者を対象とした低用量抗癌剤による化学療法と樹状細胞局所投与による癌免疫化学細胞療法にエントリーをした患者がいなかったため臨床データの収集ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き進行咽頭癌患者を対象に、癌免疫化学療法を継続実施し、安全性、治療効果のデータを収集していく。それに加え、次年度にin vivoでの頭頸部発癌マウスモデルの作成に取り掛かり、免疫学的解析を行う。具体的にはregulatory T cells, Myeloid-derived suppressor cells, CD4+Tcells, CD8+T cells, NKT cellsの治療前後における変動を解析し、IFN-gamma ELISPOT ASSAYを用いて、キラーT細胞の機能的解析を行う。腫瘍に直接アクセスできる場合は、MAGE-3の発現、p53の発現を調べるとともに、CD4+/CD8+ Tcellの浸潤を治療前後で免疫組織化学的に調べる予定である。
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