2014 Fiscal Year Annual Research Report
低容量抗癌剤と樹状細胞局所投与による新規免疫化学療法の開発
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24592592
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
増山 敬祐 山梨大学, 総合研究部, 教授 (30181663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 裕貴 山梨大学, 総合研究部, 診療助教 (40568250)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 樹状細胞 / 抗がん剤耐性 / 低用量抗がん剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
第一相臨床治験として当科で執り行われている進行頭頸部扁平上皮癌患者を対象とした低用量抗癌剤による化学療法と樹状細胞局所投与による癌免疫化学細胞療法に1症例が追加となった。樹状細胞回収プロトコールに基づいて回収した樹状細胞は細菌のcontaminationなど目立ったトラブルはなく培養・回収ができた。樹状細胞を含んだ分画は1回目136M、2回目112Mと十分量回収できていた。回収した樹状細胞は右頸部リンパ節転移巣周囲へ直接皮下注し、その翌日にOK432を5KE同部位に皮下注した。治療1回目後の発熱は37.8℃、2回目後の発熱は38.2℃であったが自然解熱したものの、3回目DCを含む分画960M個回収でき右頸部リンパ節周囲へ皮下注し、OK432を皮下注した翌日に40℃の悪寒を伴う発熱があり一時血圧低下も見られた。点滴補液および抗生剤加療を行ったところ解熱傾向となったが4回目は医師判断で危険であると判断し治療は終了となった。本有害事象はOK432の可能性が非常に高いと推測された。しかしながら治療前後での右頸部リンパ節径は増大を認めずSDであり治療経過中の腫瘍増大はなかった。さらに腫瘍免疫抑制作用をもつ因子の一つであるTGF-bの頭頸部癌の抗がん作用に与える影響をin vitroで調べた。SAS細胞、HSC4細胞、HSG細胞をTGF-b1を添加した培地で24時間前処置を行い、その後DocetaxelおよびCDDPを添加するとcontrol細胞に比べて有意にTGF-β1前処置細胞で抗がん剤耐性となっており、TGF-βによりEMT転写因子である扁平上皮癌ではSlugが、腺癌ではSnailが有意に上昇していた。以上からがん組織中のTGF-β1は抗がん剤耐性に寄与する因子である事が示唆され、頭頸部癌がん免疫療法における治療ターゲットになりうることがわかった。
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