2012 Fiscal Year Research-status Report
ガレクチン-3の発現とプロモーター領域メチル化の解析による甲状腺発癌機構の解明
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24592596
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
喜井 正士 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), その他部局等, その他 (10521726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 晋 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20625107)
山本 佳史 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60346210)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 甲状腺癌 / ガレクチン-3 |
Research Abstract |
「ガレクチン-3の発現とプロモーター領域メチル化の解析による甲状腺発癌機構の解明」を目的として平成24年度には、①甲状腺腫瘍の穿刺吸引細胞診検体・手術摘出標本におけるガレクチン-3の発現の解析、②ガレクチン-3遺伝子と癌抑制遺伝子RASSF1Aのプロモーター領域のメチル化状態の解析、を予定した。まず、検体確保に関しては大阪大学医学部附属病院において行い、穿刺吸引検体(A)・手術摘出標本(B)として甲状腺濾胞腺腫(良性腫瘍)を1例と甲状腺乳頭癌(悪性腫瘍)2例を確保した。①に関しては濾胞腺腫ではA・Bいずれの検体にもガレクチン-3の発現を認めなかったのに対し、乳頭癌ではA・Bいずれの検体にもガレクチン-3の発現を認めた。なお、AはELISA法で検出を行い、Bは免疫組織化学法とイムノブロット法で検出を行った。以上の結果は予想された通りのものであった。②に関しては穿刺吸引検体からのDNA抽出が予想に反して上手くいかなかった。手術摘出標本からのDNA抽出は問題なく行うことができ、ガレクチン-3のDNAは特異的プライマーを用いたPCR法で増幅した後、制限酵素処理後の電気泳動にて確認した。現在までの研究実績は以上の通りである。なお、上記の研究における消耗品に関しては、これまで大阪大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室で使用中のものを使用したため、当初消耗品に対する物品費として計上していた研究費は使用していない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度は大学院生に研究方法の手技を指導するために予定より多くの時間を要したため当初予定した計画よりも遅れをとっている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は大学院生に研究方法の手技を指導するために予定より多くの時間を要したため当初予定した計画よりも遅れをとっているが、今後はスムーズに遂行できるものと思われる。ガレクチン-3遺伝子のプロモーター領域のメチル化状態については、非メチル化用プライマーとメチル化用プライマーを作成してメチル化特異的PCRを行い、得られたcDNAの電気泳動とシークエンスを行う。今回の研究課題を申請するまでに、甲状腺細胞株を用いた予備実験(ガレクチン-3遺伝子のプロモーター領域のメチル化の検出実験)を行っており、予定どおりに進行していけるものと考えている。また癌抑制遺伝子RASSF1Aのプロモーター領域のメチル化についても非メチル化用プライマーとメチル化用プライマーを作成して同様に解析を行う。さらに、「濾胞腺腫細胞株を脱メチル化剤で処理した際のガレクチン-3の発現量の変化、および脱メチル化処理された細胞の悪性形質の変化の解析」を行っていく。濾胞腺腫細胞株KAK-1を脱メチル化剤で処理し、ガレクチン-3の発現量がどのように変化するかイムノブロット法により解析する。また脱メチル化処理された濾胞腺腫細胞と元の細胞における悪性形質を血清非依存性増殖能・足場非依存性増殖能・接触阻止現象の喪失により評価・解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「甲状腺腫瘍の穿刺吸引細胞診検体・手術摘出標本におけるガレクチン-3の発現、ガレクチン-3遺伝子と癌抑制遺伝子RASSF1Aのプロモーター領域のメチル化状態の解析」および「濾胞腺腫細胞株を脱メチル化剤で処理した際のガレクチン-3の発現量の変化、および脱メチル化処理された細胞の悪性形質の変化の解析」を行うにあたって、合計171万円を見込んでいる。そのうち消耗品に100万円、学会参加等の旅費に30万円、人件費(大阪府立成人病センター 耳鼻咽喉科 秘書)に41万円を見込んでいる。
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