2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト乳頭腫ウイルス関連頭頸部癌に対する低侵襲な治療法の開発にむけて
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24592597
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
星川 広史 香川大学, 医学部, 准教授 (70294767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸野 毅日人 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (20532683)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HPV / 放射線感受性 / p16 / p53 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成24年度から26年度に当科を新規受診し、治療を行った中咽頭癌症例は計28例であった。これらについてHPV感染と相関が高いとされるp16タンパク、腫瘍の増殖性の指標であるKi-67、放射線感受性との関連が示唆されるp53タンパクについて免疫染色を行った。28例中p16陽性が12例43%であった。亜部位では11例が側壁(扁桃)癌で、側壁癌16例中11例69%でp16陽性であった。JCOG頭頚部癌グループが施行した調査研究で、中咽頭癌でのHPV陽性率は51.4%との報告があり、ほぼ同等の結果であった。生存率は p16タンパク陽性群で100%、陰性群で81.3%と有意差は認めなかったが陽性群で良好であった。p53タンパクに関しては検討可能であった症例が15例と制限があったため有意差の検討は困難であったが、50%以上染色を陽性とした場合の陽性率は、p16陰性例では67%、p16陽性例では16%とp16陰性例で高かった。Ki-67に関してはp16陽性、陰性でほとんど差を認めなかった。FDG-PETが施行できた20例でp16の発現の有無とSUVmaxの相関を検討すると、p16陰性群はSUVmaxの平均値が17.1、陽性群は12.5と陽性群の方がFDGの集積が弱い傾向があったが有意差は認めなかった。FLT-PETに関しては、細胞の増殖能を反映するとされるためか、Ki-67 indexと同様、p16の発現の有無で差を認めなかった。CD-DST法を応用した放射線、抗癌剤感受性試験に関しては、18例に施行したが中咽頭癌症例は2例に留まり、HPV陽性例は1例のみであった。今回の検討で照射線量が増加すると細胞増殖抑制効果も高くなる、放射線単独、抗癌剤単独、抗癌剤放射線併用群を比較すると併用群で増殖抑制効果が増強されるなどの一定の結果が得られたが、今回の症例はいずれも手術症例であり、臨床効果との相関に関しては検討出来なかった。
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