2013 Fiscal Year Research-status Report
脱神経後声帯筋筋線維のアポトーシスと筋衛星細胞のアポトーシス抑制に関する基礎研究
Project/Area Number |
24592603
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
熊井 良彦 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (00555774)
|
Keywords | 筋衛星細胞 / MyoD |
Research Abstract |
脱神経および神経再建後の筋衛星細胞の動態をin vivoラットモデルについて検討した。筋衛星細胞のマーカーであるM-cadherinと筋衛星細胞が増殖・分化する際に発現するMyoDについて免疫染色、realtimePCRで評価した。その結果、脱神経後5週後でも筋衛星細胞は活性化しているが、神経再建した群ではいったん活性化した筋衛星細胞が神経再支配によって静止状態に抑えられる可能性を示唆する結果が得られた。 現時点では上記のように筋衛星細胞の動態を観察したのみでアポトーシス関連タンパクの動態については評価していない。 上記の結果を踏まえて、アポトーシス抑制以外の方策で筋衛星細胞数を増加させ、臨床応用につながるような方法も検討したい。 具体的には、筋衛星細胞を活性化させるような刺激(HGF、IGFなどの増殖因子の投与)を与えることで筋衛星細胞の数を増加する方法についても検討していきたいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本実験では脱神経群に加えて神経再建群をモデルとして作成し比較評価している。神経再建のモデルについて、当初はシリコンチューブを介した神経再建モデルを使用していたが、シリコンチューブを介した再建では神経の断端が接する場合と接しない場合がありモデルの条件が均一にならない可能性が考えられたため、途中から端端吻合のモデルに変更した。そのため、モデルの作成、評価のやり直しが必要となり遅れが生じた。 また、real time PCRによる筋衛星細胞マーカーのM-cadherin、MyoDの定量について手技が安定するのに時間がかかった。 上記のような理由からアポトーシス関連タンパクの評価ができておらず、また今年度はin vitroの実験には到達していない。
|
Strategy for Future Research Activity |
脱神経したラットモデルと、神経再建したラットモデルの甲状披裂筋より筋衛星細胞を分離培養し、各群における筋衛星細胞の特徴について検討したい。 また、HGFやIGFなどの筋衛星細胞を活性化させる増殖因子を用いて、アポトーシス抑制効果や筋衛星細胞への増殖効果などを検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験計画の遂行が遅れており、本年度の予算を使う予定であった細胞培養の実験に至っていない。次年度使用額が生じた。 次年度に予定に沿って細胞培養の実験を行う予定としており、次年度分の予算と合わせて使用していく。細胞培養に必要な機材の新規購入なども検討している。
|