2013 Fiscal Year Research-status Report
多能性幹細胞移植による頭頸部癌術後機能回復のための再生医療の研究
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24592610
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大上 研二 東海大学, 医学部, 教授 (90223734)
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Keywords | 骨格筋間質幹細胞 / 神経再生 / 血管再生 / シート・ペレット / 顔面神経麻痺 |
Research Abstract |
近年,自家細胞移植の細胞源として骨格筋が注目されている.過去にマウス骨格筋間質から抽出し,筋・血管内皮・脂肪細胞への分化能力を有する幹細胞群を同定・分離抽出・精製することに成功した.頭頸部癌患者の治療後QOLを向上させるために,骨格筋間質由来幹細胞を応用して,頭頸部手術で失われた神経再生を目的とした研究をおこなった. 今年度は昨年度に引き続き神経障害モデルとして,まず顔面神経を機械的に損傷した実験モデル動物を確立し,以下の実験をおこなった.マウス顔面神経を露出,機械的に神経を損傷し,損傷後の顔面神経機能の観察測定し,最も妥当な顔面神経損傷モデルを作成した. マウス骨格筋から骨格筋間質由来幹細胞を分離・増殖培養し,幹細胞シートペレットを作成した.損傷部位に幹細胞シートペレットを移植し,非移植対照側との比較をした.ドナーより移植した細胞の着床状況,生体内での貢献度を蛍光実態顕微鏡下で観察すると,神経組織が再生,伸張し,切断された神経を連続する所見が得られた.また組織学的に神経軸索の 再生やシュワン細胞への分化,perineurium, endoneuriumへの分化も観察された.また再生した神経周囲に移植した幹細胞由来の血管再構築が認められた. 機能評価としては顔面の麻痺が対照群と比べて移植群で良好な回復効果が得られた.また筋電図による神経組織の再生,神経筋接合部の再構築が確認された. 以上の結果について国内の学会で発表し,現在論文執筆中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
骨格筋間質由来幹細胞シートペレットの作成と神経損傷モデルは妥当性のあるものが確立できた.またモデル動物への移植実験と,移植後の神経再生,血管再生について組織学的に確認できており,機能評価の段階まで到達している. 国内での学会発表もすでにおこなっている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,神経損傷の程度(距離)と再生の限界,機能評価の妥当性の検証,筋電図による電気生理学的客観的評価を検証予定である. 国外での学会発表とともに論文作成,投稿を予定している.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の進展に伴い,新たな知見が得られ,より高度な研究成果と,より実地臨床に近いモデル動物,移植実験を行うために,新たな知見の分析を行う研究計画の変更が必要であったため. 次年度の実験において,移植幹細胞の生着と神経筋接合の再構築をより客観的に証明するために筋電図検査などを実施する予定である.
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