2012 Fiscal Year Research-status Report
内眼炎発症に関連する遺伝子多型の解析と個別化医療への応用
Project/Area Number |
24592633
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中尾 久美子 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30217658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 祥三 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20325806)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 内眼炎 / 遺伝子多型 / HTLV-1 / bubble liposome |
Research Abstract |
H24年に鹿児島大学病院眼科外来を受診したHTLV-1関連ぶどう膜炎やその他の内眼炎患者、および無症候性HTLV-1キャリアや対照健常人から、同意を得た上で末梢血液を採取し、血漿を分離した後DNAを抽出した。眼科手術を行った症例では、同意を得た上で前房水や硝子体液を採取し、上清を分離した後DNAを抽出した。そして、血液を採取した内眼炎患者の臨床所見をデータベース化した。本年度までに収集したサンプルを用いて炎症に関与するサイトカインの遺伝子多型の解析を開始した。解析は現在進行中でまだ有意な結果はでていない。 蛍光標識したbubble liposome(BL)をラットの尾静脈から注射して、蛍光眼底造影で動態を確認した結果、投与直後から眼内への流入を確認し、5分程度まで螢光を確認することができた。また同じモデルで、BL投与後に超音波照射(経角膜)を行うことにより、眼血管でBLが崩壊することを確認した。BLは周囲をPEGによって修飾されているため、組織標的型のBLの開発に適している。そこで、培養極性網膜色素上皮(RPE)のmicroarray解析の手法を用いて、ターゲットとなる炎症時にRPEに特異的に発現する分子の検索を行った。極性RPE 及び TNFa刺激を行った極性RPEで解析を行って、現時点では明らかな候補となる分子の同定には至っていないが、RPEの極性が変化することで、細胞間の接着機能やサイトカインの分泌パターンが変化することを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コントロールとなる無症候性HTLV-1キャリアや健常人の末梢血液の収集がまだ予定数に達していないため、遺伝子多型の解析が予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
HTLV-1キャリアや健常人からの血液試料の収集に努めてコントロールとなる試料を増やし、引き続き内眼炎発症と関連する遺伝子多型の検索を行う。遺伝子多型が内眼炎発症に関与するメカニズムを解明するため、遺伝子多型が疾患発症と関連することが示唆されるサイトカインや酵素の、血漿中・眼内液中の量や活性を測定する。また、細胞内で遺伝子産物自体が量的・質的変化を起こしていないか、さらに下流に位置する因子への相互作用がないかを、独自に確立したpolarized culture systemを利用して検索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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