2013 Fiscal Year Research-status Report
内眼炎発症に関連する遺伝子多型の解析と個別化医療への応用
Project/Area Number |
24592633
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中尾 久美子 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30217658)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 祥三 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20325806)
|
Keywords | 内眼炎 / 遺伝子多型 / HTLV-1 / bubble liposome / 脈絡膜 |
Research Abstract |
H25年に鹿児島大学病院眼科外来を受診したHTLV-1関連ぶどう膜炎やその他の内眼炎患者から、同意を得た上で末梢血液を採取し、血漿を分離後にDNAを抽出した。眼科手術を行った症例では、同意を得た上で前房水や硝子体を採取した。H25年までに最終したサンプルを用いて炎症に関与するサイトカインの遺伝子多型の解析を行っている。解析は現在進行中で、今のところ内眼炎発症に関与する遺伝子多型は見いだせていない。 極性細胞へ超音波およびバブルリポソーム(BL)を用いて遺伝子導入を行った。通常極性を持った網膜色素上皮細胞(RPE)は細胞周期においてはG0期にあるといわれ、遺伝子導入効率はリポフェクションなどでは難しい。H25年度、極性RPEに対して超音波を用いてGFP(Green Fluorescent Protein) plasmidの導入を試みた結果、超音波のみでは従来の方法同様GFP陽性細胞は数個であったが、超音波にBLを併用することでGFP陽性細胞を約30%に認めることができた。超音波およびBL併用の導入方法は、siRNAなどにも応用できる。この方法を用いることで、極性RPEのターゲットする遺伝子やタンパクをknock downし反応を確認することができるようになった。 また並行して行っている臨床研究では、内眼炎、特にVogt-小柳-原田病患者の急性期の脈絡膜変化に注目し、網膜干渉光断層計の画像をimage J 画像処理ソフトを使って脈絡膜の2階調化を行うことで、脈絡膜の変化を解析している。この画像処理により急性期の脈絡膜の状態が観察しやすくなり、治療後の変化を詳細に捉えることが可能となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コントロールとなる無症候性HTLV-1キャリアの末梢血液が思うように収集できずに、遺伝子多型の検索については結果がでていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
HTLV-1キャリアの血液試料の収集に努めつつ、引き続き内眼炎発症と関連する遺伝子多型の検索を進める。 超音波とBLを併用した眼内薬物・遺伝子送達法を疾患モデル動物を使ってさらに発展させる。 内眼炎患者の網膜干渉光断層計画像で、image J 画像処理ソフトを使って脈絡膜の2階調化を行い、その変化の解析した結果、急性期の脈絡膜の観察が容易となり、治療後の変化を詳細に捉えることができるようになったので、この観点からも研究を進めていく。
|