2012 Fiscal Year Research-status Report
長深度光干渉断層計と貫通孔付きレンズを用いた有水晶体眼内レンズの有用性の検討
Project/Area Number |
24592642
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
神谷 和孝 北里大学, 医学部, 准教授 (80439116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 公也 北里大学, 医学部, 教授 (60124674)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
①長深度前眼部OCTを用いた毛様溝径計測によるレンズサイズの評価 これまで角膜径から推測していた毛様溝径を長深度前眼部スウェプトソースOCTによって直接計測することによって正確なレンズサイズを選択して有水晶体眼内レンズ挿入術を施行する。術後1か月の時点で同前眼部OCTにより撮影し、Vault量、屈折、眼圧、前房深度、隅角開大度を計測する。今年度は症例数が蓄積されている段階であるが、予備的な検討ではいずれも従来の安全基準(J Refract Surg. 2008)に該当し、最適化されたサイズのレンズが使用されていることが明らかとなった。 ②貫通孔付き有水晶体眼内レンズと従来型レンズの術後視機能の比較 片眼に従来型有水晶体眼内レンズ、僚眼に貫通孔付き有水晶体眼内レンズ挿入術を20例40眼に対して施行する。術前と術後3か月の時点で眼球高次収差 (瞳孔径4, 6mm)、前方散乱や網膜面結像特性やコントラスト感度(明所・暗所・暗所グレア下)(を測定し、グレアやハローを含めた自覚的な見え方に関するアンケート(VFQ-25, NEI-RQL)調査を行い、それぞれの視機能変化について比較する。その結果、眼球高次収差、コントラスト感度、自覚的症状ついては貫通孔付き有水晶体眼内レンズと従来型レンズ間に有意差はないことが明らかとなった。(Shimizu K et al. Br J Ophthalmol 2012、Shimizu K et al. Am J Ophthalmol 2012)また、前方散乱や網膜面結像特性にも有意差はなく(Kamiya et al. PLoS One in revision)、臨床的に正常眼と比較してほぼ同等の視機能を有することが明らかとなった(Kamiya K et al. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2012)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度予定していた③ブタモデルによる貫通孔付き有水晶体眼内レンズが房水動態に及ぼす影響の検討は、必要な実験材料となるシリコンパウダー(KMP-602, 信越化学社)の入手後直ぐに実験を計画している。その他の検討については、予想より早く進捗しており、欧米雑誌にすでに6報が掲載されている。(Shimizu K et al. Br J Ophthalmol 2012、Shimizu K et al. Am J Ophthalmol 2012, Kamiya K et al. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2012、Kamiya K et al. J Med Case Rep 2012、Kamiya K et al. Exp Rev Ophthalmol 2012、Kitahara M et al. Kitasato Med Journal 2012)
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Strategy for Future Research Activity |
今年度予定していた③ブタモデルによる貫通孔付き有水晶体眼内レンズが房水動態に及ぼす影響の検討は、必要な実験材料となるシリコンパウダーを入手次第すぐに実験を計画している。その他、④貫通孔付き有水晶体眼内レンズのエッジグレアの光学的検討および⑥長深度前眼部OCTと貫通孔付きレンズの併用による有水晶体眼内レンズの長期臨床成績の検討については症例数を増加した上で、予定通り研究を継続する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新たに機器の申請は行わなわず、一部レンズ偏心や傾斜によるエッジグレア影響を検討する目的で、レンズ位置や傾きを調整可能とするための模型眼の改良費や人件費に充てる。また、本研究成果を国内・海外学会で発表するための旅費、論文投稿にかかる謝金、論文掲載料等にも使用する予定である。
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Research Products
(25 results)