2013 Fiscal Year Research-status Report
皮膚由来多能性前駆細胞から角膜内皮細胞への分化誘導
Project/Area Number |
24592644
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
榛村 重人 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (00235780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 悟 慶應義塾大学, 医学部, 特任講師 (50398781)
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Keywords | 角膜内皮 |
Research Abstract |
本年度はマウスSkin-derived precusros (SKPs)および角膜誘導内皮のマーカーの検証をした。まずSKPsであるが神経堤細胞由来の皮膚由来幹細胞であることの確認としてRT-PCRでp75, Sox9, Sox10, Twist, Slug, Snail, Pax3, Derm1, Wnt5aの発現を確認した。またそのSphereの免疫染色ではp75とSox10の発現を確認した。我々の開発した角膜実質幹細胞から角膜内皮細胞への分化誘導法を応用し、SKPsにレチノイン酸、GSK3β阻害剤(BIO)等の誘導因子を添加し接着培養したところ、誘導した内皮は角膜内皮マーカー(Atp1a1, Cdh2, Car2, Pitx2, SLCA4, Col4a2, Col8a2, Integrinα3)が陽性であった。誘導前後のマーカーの推移を定量的PCRで評価すると誘導後に概ね上昇していた。また昨年度みられたような重層化をコントロールすることに成功した。またtight-junction形成の指標であるZO-1の発現およびポンプ機能の指標であるNaKATPaseの発現を確認することができた。しかしながらZO1の発現がまだ若干微弱であることからさらなる培養条件の検討が必要と考え現在最終プロトコールを研鑽している次第である。 ヒトSKPsの誘導に関しては一度に得られる検体も小さくまたSKPsの分離が当初は難航したが、既報をmodifyした方法により効率よく分離継代することに成功した。そして内皮誘導にむけてレチノイン酸などの誘導因子を添加し接着培養したところ、ZO1、NaKATPaseの発現を確認することができた。また一部の角膜内皮マーカーの発現を認めている。誘導のプロトコールが決まり次第、順次in vitroでの機能解析やin vivoでの家兎への移植実験を施行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度までの計画としてはマウスおよびヒト皮膚組織からのSKPsの分離、角膜内皮への分化誘導とin vitroでの機能評価を行う予定であった。マウスおよびヒト組織からのSKPsの分離培養をすることは達成できた。マウスSKPsから角膜内皮への誘導に関してはほぼ最適化できており、現在ヒトSKPsから角膜内皮への誘導を最適化している。最適化が終わり次第順次in vitroでの機能評価および家兎への移植実験に以降する予定である。若干計画より遅れているところもあるが、ヒトSKPsに関してはスケールアップして順次誘導法を検討しているので来月には本年度までの目標であった角膜内皮への分化誘導およびin vitroでの機能解析が終わる予定であり、概ね順調と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の成果としてヒトSKPSを分離し、培養をスケールアップすることに成功した。そのヒトSKPsを用いて、本年度はヒトSKPsから角膜内皮誘導へのプロトコールの最適化を早急に行う予定である。プロトコールの最適化が終わり次第、ヒトSKPs由来TECEのウサギ角膜への移植実験を行い、Na,K-ATPaseのポンプ機能の変化とそれにともなう角膜の厚みの変化を記録することで,移植により実際に角膜の含水率の制御が可能かどうかを検討する。また移植方法に関しても細胞シートで移植するかもしくは細胞懸濁液を前房内注射するかといった検討をした上で、安全性、安定性、有効性などの観点から最も有望な移植方法を検討する予定である。最終年度内にすべての検討が終わる見込みである。
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