2013 Fiscal Year Research-status Report
涙腺細胞における評価系確立を目的とした、涙腺上皮細胞株の樹立
Project/Area Number |
24592650
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
川北 哲也 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50408308)
|
Keywords | 涙腺 / 再生 / 上皮細胞 / ドライアイ |
Research Abstract |
昨年度の実験において、マウスで長期培養ができたCD1マウス7週齡涙腺から分離培養した細胞について、通常培養の状態で、Cytokeratin14(+) p63(+)AQP8(-) Cytokeratin8(-), alpha SMA(-)の表現型であることを免疫染色で証明し、生体内涙腺では導管上皮細胞に近い表現型を示した。平成25年度は、この細胞を用いて、予定通り以下の3つの実験を施行した。 ①Sphere形成能のアッセイ、②マトリゲル上で導管用構造を呈するかのアッセイ、③培養条件を変え、その他の構成細胞に分化させることができるかどうかの検証:間葉系細胞用分化培地(5%Fetal Bovine Serum + DMEM/F12)、筋上皮細胞用分化培地(コレラトキシンなし基礎培地 + 5-10ng/ml TGF-beta)を用いた。 以上の実験の結果、この長期継代培養した細胞は初代涙腺細胞と比較し、Sphere形成能、コロニー形成能が有意に高かった。マトリゲル上で導管用構造を呈する細胞は有意な差は認めなかった。通常の基礎培地に 5-10ng/ml TGF-beta添加することによりalpha SMA(+)細胞が出現したが、その細胞出現率は5-10%であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究目的や、研究計画として提出していた実験は遂行できており、スムーズに進んでいると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
培地の違いにより、樹立した細胞が涙腺の構成細胞に分化し、ある程度未分化な涙腺上皮細胞株を、遺伝子改変を行わずに樹立できており、今後培養を続け、表現型が変化しないか、また核型に変化がでていないか、などを調べ、今後の製薬などの臨床へ向けた応用ができる技術、アッセイ系を確立したい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
抗体、培地など他研究と共同使用できるものが多く、また実験がスムーズに進み、再実験の費用も少なく済んだ。 26年度は、追加実験、海外学会発表があり、すべて使用する予定である。
|