2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24592651
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
川島 素子 慶應義塾大学, 医学部, 特任講師 (00327610)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 涙腺 / ドライアイ |
Outline of Annual Research Achievements |
AMPKは細胞の中でのエネルギーの消費をコントロールしているだけでなく体全体のエネルギーバランスの調整のために大きな役割を果たしていると考えられる。ドライアイの病態を細胞の代謝機構の変化、エネルギー産生の変化により活性酸素の上昇、涙液分泌の低下がもたらされているのではないかと考えた。さらにはAMPKが直接的に涙液分泌に関与する可能性もあると考えた。このAMPKの涙腺における役割を明らかにするために初年度はC57BL/6マウスおよびⅡ型糖尿病モデルマウス(db/db)を用いてAMPK活性化をもたらす8週間の「運動介入」を行い、全身性変化および涙液分泌量の変化を検討した。次に、2年目ではAMPK活性化剤のAICAR投与実験を行い、涙液分泌との関連を検討した。最終年度では、1,2年目で得られた結果である、db/dbマウスでの涙液分泌低下が運動で抑制されること、AICAR投与で涙液分泌が保持されることを追試し確認した。また、初年度では検討できていなかったdb/dbマウスでの運動による耐糖能変化、呼吸商評価を検討し、運動により、血糖値および耐糖能が改善傾向を認めることを示した。これらより、Ⅱ型糖尿病マウスにおいて涙液分泌量の減少が生じ、8週間の運動負荷により運動群では体重増加の抑制および糖代謝の改善が認められたこと、涙液分泌量は対照群に比べ運動群では有意に増加し、涙液中の酸化ストレスマーカーにおいても減少傾向が認められることが明らかにになった。これらの結果より、運動およびAMPK活性化剤の投与はⅡ型糖尿病モデルマウスにおいて糖代謝のみならず、涙液分泌に対しても有効であることが示された。
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