2014 Fiscal Year Annual Research Report
眼表面ムチンのバリア機能および水濡れ性に関する検討
Project/Area Number |
24592657
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
堀 裕一 東邦大学, 医学部, 教授 (70379171)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 眼表面ムチン / バリア機能 / 水濡れ性 / 膜型ムチン / 分泌型ムチン / ドライアイ |
Outline of Annual Research Achievements |
ムチンは高分子の糖タンパクであり、生体内では粘膜保護という重要な役割を担っている。ムチンはその構造上から膜型ムチンと分泌型ムチンがあり、眼表面においても角膜や結膜を保護する膜型および分泌型ムチンが涙液中および角結膜上皮細胞の最表層に存在している。ムチンの眼表面における役割は、潤滑剤としての役割、水濡れ性を上昇させる役割、バリア機能としての役割の3つが大きな柱となっており、昨年度、我々は接触角計SImage 100 (エキシマ社)に高速度撮影カメラシステムを搭載し、自動測定ソフトを組み込んで比較的水濡れ性のよい角膜結膜上皮細胞においても接触角が測定できるように改良を行い、ウシ顎下腺ムチンを滴下した時の接触角を測定したところ、ムチンの濃度が上昇するにしたがって接触角が減少することを計測することができ、本機器のシステムがムチンと水濡れ性の関連についての研究に有効であることを証明した。 本年度は、ムチン発現を上昇させる2種類のドライアイ治療薬を用いて、ムチン発現の上昇にはそれぞれ特徴があることを証明した。特にジクアホソルナトリウム点眼が、点眼直後からムチンと水分の分泌を上昇させていることを培養細胞および動物実験で明らかになった。本研究にて、ドライアイ患者にどれだけムチンが上昇して眼表面の水濡れ性が改善しているかを、臨床的に評価できる可能性が考えられる。薬剤の治療効果の評価判定や、眼表面の障害の評価の一つの指標など、眼表面の水濡れ性を評価する意義は非常に高いと考える。
|
Research Products
(13 results)