2013 Fiscal Year Research-status Report
高浸透圧と自然免疫がドライアイに及ぼす影響と、それに基づく新たな予防・治療戦略
Project/Area Number |
24592658
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
藤本 千明 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (70623924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 浩 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00188046)
五十嵐 勉 日本医科大学, 医学部, 講師 (10421190)
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Keywords | ドライアイ / 浸透圧 / 炎症 |
Research Abstract |
高浸透圧が眼表面の炎症を惹起してドライアイを引き起こすことは知られているが、そのメカニズムは十分に解明されていない。今回、超高浸透圧培養液を用いて、ヒト角膜上皮細胞から炎症性サイトカインが産生されるかどうか検討した。 不死化ヒト角膜上皮細胞(HCE-T;RCB2280)を継代した。NaClの付加により高浸透圧培養液(310~1000 mOsM/kg)を作成し、それらをHCE-Tの培養液と置換した。各高浸透圧培養液で24時間培養後、上清を回収した。また、短時間培養として、各高浸透圧培養液で10分間暴露後、正常浸透圧培養液で24時間培養した。各上清中のIL-1b, IL-6, IL-8, TGF-βをEnzyme-Linked ImmunoSorbent Assay (ELISA)法にて調べた。また、細胞のアポトーシスについてトリパンブルー法にて調べた。 高浸透圧培養液の24時間培養では、500 mOsM/kgにおいて、IL-6産生が65 pg/mlと有意に上昇していた。しかし、600m mOsM/kg以上では、細胞の形態変化が起こり、死細胞を認めた。一方、10分間の高浸透圧培養液では、1000 mOsM/kgまでは細胞の形態変化はなく、IL-6の産生は、600, 700, 800, 900mOsmにおいて有意な上昇を認めた。IL-1b, IL-8, TGF-βは検出できなかった。 900 mOsM/kgという非常に高い浸透圧培養液でHCE-Tを培養しても、短時間であれば細胞の形態は変化せず、IL-6を産生することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
短時間の高浸透圧負荷により炎症サイトカインが上昇したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、浸透圧の程度と細胞障害性についても評価していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
生化学的実験を行えなかったため。 26年度に行う実験計画に予定変更はないが、25年度に行う予定であった生化学的実験を行う予定である。
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