2012 Fiscal Year Research-status Report
毛様体のRab8とERMファミリーの相互作用の検討による緑内障病態の解明
Project/Area Number |
24592663
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
木村 至 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 分子細胞生物学研究部, 研究員 (60296663)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Rab8 / ERM family / Glaucoma / Ocular ciliary body |
Research Abstract |
本研究は、1)Rab8およびERM familyの毛様体における正常な相互作用をサル毛様体上皮の培養細胞にて検討し、現在まで手つかずのRab8およびERM familyの、毛様体上皮培養細胞でのシグナル伝達経路を可能な限り明らかにすること、2)各種条件下でのRab8およびERM familyの相互作用の変化を調べ、それが緑内障の重症度に相関しうるか検討することに大別される。 Rab8およびERM familyの相互作用について言及した論文は現在1本だけであり、視細胞においてmoesin, actin, rac1, phosphatidylinositol-4,5-biphosphateがrab8と協調して働きロドプシン輸送を行う、という内容である(Deretic D, et al. Mol Biol Cell, 2004)。本研究テーマは緑内障の病態解明を目指す研究においては最初の試みであると考えられる。現在までにRab8 deficient mouseの眼球切片の作製を完了し、Rab8およびERM familyの共局在についてRab8 deficient mouse、Wild type、毛様体上皮の初代培養細胞について免疫染色を施行し、wild typeと培養細胞においてRab8とERM familyの共局在は確認できた。次に毛様体上皮の初代培養細胞を用いて、培養液に各種薬剤を投与しRab8とERM familyの発現についてウェスタン解析を行ったが、ステロイドを投与した際に濃度依存的にRab8の発現が抑えられるという結果を得た。炭酸脱水酵素阻害剤、β遮断薬の投与ではRab8、ERM familyの発現について変化を認めなかった。 次に同様の薬剤投与にてmRNAの発現についてRT-PCRによる解析を行うため、準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究へ取り組む人員および時間が当初予定よりも少ない結果となったため、研究目的の達成度についてはやや遅れていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
Rab8およびERM familyの培養細胞における相互作用の検討をより推進するために、以下の解析の実施を進める。 1)培養細胞にCoralHue Fluo-Chase Kit(Amalgaam 社)を用いたProtein fragmentcomplementation method にて標識したRab8 およびezrin、radixin、moesin をtransfection し、Rab8 とezrin、Rab8 とradixin、 Rab8 とmoesin との相互作用を確認する。 2)上記の組み合わせのうち、相互作用の認められたものに対して、相互作用の生理学的意義を詳細に解析するために、緑内障発症に関与することが予想される種々の因子(酸化ストレス、ステロイド剤添加、圧力、虚血)を与えた時の相互作用および培養細胞への影響を調べる。前年度課題において酸化ストレス、ステロイド剤添加、細胞培養液の調整による虚血による方法にて実験を進めており、条件設定は整ってきているため、本実験にて結果を出すことを目標とする。評価方法としては、相互作用の程度を検討するための蛍光発色数カウント、細胞形態の観察、アポトーシスを生じた細胞数のカウントを行う予定である。 3)Rab8 とERM family の相互作用の生理学的意義をさらに詳細に解析するために、緑内障治療薬として考えられている薬剤でまだ使用していない薬剤を上記2)の条件下に培養液中に投与し、相互作用および培養細胞への影響を調べる。具体的には、眼圧下降薬として、毛様体筋収縮による線維柱帯網開大により房水流出抵抗を減弱させる副交感神経刺激薬、ぶどう膜強膜流出路からの房水流出促進を図ると考えられているプロスタグランジンF2α誘導体、α遮断薬、カルシウム拮抗薬、NMDA拮抗薬を投与し、検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度はウェスタン解析やRT-PCRの解析に関わる実験試薬、キット、抗体にかかる研究費の割合が増加することが見込まれる。その他、国内旅費、外国旅費、印刷代、研究成果投稿料などに使用される予定である。
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