2012 Fiscal Year Research-status Report
グルタミン酸輸送体を賦活化し網膜神経節細胞を加圧傷害から防御する
Project/Area Number |
24592666
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
石川 誠 秋田大学, 医学部, 講師 (10212854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉富 健志 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60191623)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 緑内障 / 興奮毒性 / グルタミン酸 / 眼圧 / グルタミン酸輸送体 / グルタミン酸代謝 |
Research Abstract |
「グルタミン酸輸送体(GT)を賦活化すると、網膜神経節細胞を眼圧上昇による傷害から防御できる」との仮説を、正常ラット分離加圧標本をもちいたex vivo実験で調査した。正常ラットを用いて、眼球分離標本を作成し、静水圧による加圧負荷を行った。その結果、加圧を負荷することで誘導される網膜神経節細胞の軸索傷害が、グルタミン酸輸送体の発現低下によってもたらされることが明らかになった。 加圧を負荷することで誘導される網膜神経節細胞の軸索傷害が、グルタミン酸輸送体を賦活化するとされる薬物17β-estradiol及びtamoxifenを投与することによって、防御可能か否かを、光顕・電顕的に検討した。その後、グルタミン酸輸送体(GLAST) とグルタミン酸代謝酵素(GS)の加圧による発現抑制と、tamoxifen投与による回復について、遺伝子レベル、タンパク質レベルで調査した。その結果、tamoxifenはGLASTとGSを賦活化することによって加圧傷害を防御する可能性があることが明らかになった。 本年度は、さらに上強膜静脈を焼灼してin vivo緑内障ラットを作成することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度はin vivo緑内障ラットの作成は予定していなかったが、作成に成功した。本年度に予定していた他の実験も、予定通り進行した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)緑内障ラット分離加圧標本の作成 緑内障ラットを用いて、眼球分離標本を作成する。加圧実験は前頁で記載したように、眼球分離標本を高さの異なるシリンダー中に沈め、静水圧による加圧負荷を行なう。 2)グルタミン酸輸送体を賦活化する薬物の投与 緑内障ラットから分離眼球標本を作成し、加圧を負荷することで誘導される網膜神経節細胞のapoptosis、necrosis、necroptosis や軸索傷害が、グルタミン酸輸送体を賦活化する薬物を投与することによって防御可能であることを、以下の方法で示す。 a)光顕・電顕によって、神経節細胞の形態変化を調べる。 b)グルタミン酸代謝経路(GLAST とGS)の加圧による発現抑制と GLAST 賦活化薬の投与による回復について、遺伝子レベル、タンパク質レベルで調査する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の予算は、1,400,000円である。内訳は、実験動物購入・飼育費試薬代(抗体・PCR primer 等)、 画像処理・解析・計測・3次元構築ソフトImage-ProBundles IPP7-AMS(Media Cybernetics 社)の「予定である。
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