2014 Fiscal Year Annual Research Report
視覚の質と生体力学を考慮した角膜手術法開発のための基礎的研究
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24592669
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 直之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教授 (00273623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高 静花 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00570590)
辻川 元一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教授 (70419472)
相馬 剛至 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70582401)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 視覚の質 / 生体力学 / 角膜形状 / 波面収差 / 手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
光干渉断層計を用いた角膜形状解析、波面センサーによる高次収差解析、超高速Scheimpflug像連続撮影による生体力学的検査を施行し、角膜移植、屈折矯正手術、円錐角膜やドライアイなどの疾患の生体力学特性や光学的特性を評価した。 前眼部光干渉断層計にて角膜形状を3次元で解析する方法を確立し、選択的層状角膜移植でホスト角膜とドナー角膜を別個に解析することが可能となった。さらに、周辺部に混濁した病変をもつモーレン潰瘍においても病変と不正乱視の関係を予測することが可能となった。円錐角膜では、高次収差による自動診断法開発のための変数選択の複数の自動診断法に与える影響が判明した。また、角膜上皮厚および角膜実質厚を測定したところ、角膜実質の菲薄化が存在する部位に角膜上皮の菲薄化が認められ、角膜実質の前方突出を角膜上皮が一部代償していることが示唆された。さらに、円錐角膜のペルーシド角膜変性の形状の類似性を解明し両疾患が同一範疇に含まれることが示唆された。 波面収差に関しては、 LASIK術後の角膜拡張症における角膜前後面の高次収差を解析し、円錐角膜、LASIK後、正常と比較したところ、角膜拡張症と円錐角膜はコマ収差主体の高次収差が増加し、両疾患の光学特性は類似していることが示された。また、ドライアイの高次収差の経時的変化を解析することにより、角膜形状が正常であっても角膜前涙液層の異常は視機能に影響を及ぼし、点眼によって視機能障害は治療可能であることを示した。さらに、収差に加え、ドライアイやその治療としての点眼が散乱を通じて視機能に及ぼす影響に関しても定量化可能であることを示した。 角膜移植後の生体力学的特性を調査したところ、正常に比較して角膜移植後では角膜剛性が低下していることが判明した。特に全層角膜移植は層状角膜移植より剛性が低く、層状角膜移植の全層角膜移植に対する優位性が示された。
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Research Products
(6 results)