2014 Fiscal Year Annual Research Report
自主開発の手術補助剤を基盤にした手術用観察系の開発と新たな機能探究の包括的研究
Project/Area Number |
24592673
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
江内田 寛 佐賀大学, 医学部, 教授 (00363333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 達朗 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30150428)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ブリリアントブルーG(BBG) / 神経保護作用 / P2X7アンタゴニスト / マイクロ鑷子 / 硝子体手術 / 医師主導治験 / 補助剤 / 手術用観察系 |
Outline of Annual Research Achievements |
手術中の視認性の確保は重要であり、硝子体手術において各種染色剤を用いた網膜内境界膜の染色と剥離は現在広く行われている。ただしその染色剤は日本において認可されたものはなく、中には眼組織に対する組織毒性をもつものもあり、あらたな薬剤の開発が急務であった。近年我々は組織毒性が低く対象となる組織の染色性も良好な、眼科用の新しい染色剤のブリリアントブルーG(BBG)を開発した。本剤はすでにライセンスアウトされEUで上市されている。日本導入へ向けては、すでに医師主導治験を終え、現在承認申請に向けた最終準備を進めている。 今回の研究課題の一つとしてBBGの新しい可能性の検討を行い、実験的にP2X7アンタゴニストとして、ATP由来のアポトーシス抑制による神経保護の可能性を見いだした。 また今回我々は企業との産学連携により手術用の新しい観察システムの開発も行った。本機器は医療機器の認可をうけた後に、施設IRBの承認を得た臨床研究で、機器を構成する特殊なフィルター挿入により、BBG染色の強調効果や各種視認性の改善効果を証明した。さらなる改善を目的に、今後も研究を継続する予定である。 さらに我々はBBG染色された内境界膜を安全に剥離するためのマイクロ鑷子も開発した。従来のディスポーザブルの硝子体手術用の鑷子はすべて海外からの輸入品であり、ハンドリングや品質についていくつかの問題点を内包していた。今回の研究で、あらたによりハンドリングが良好で、網膜に対する操作においても安全性の高いディスポーザブルの硝子体手術用鑷子をデザインし、評価を行った後改良を加え、医療機器の承認を得た。現在本鑷子はすでに上市されており、臨床使用が可能な状態である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Ultrastructural changes of the vitreoretinal interface during long-term follow-up after removal of the internal limiting membrane.2014
Author(s)
Hisatomi T, Notomi S, Tachibana T, Sassa Y, Ikeda Y, Nakamura T, Ueno A, Enaida H, Murata T, Sakamoto T, Ishibashi T
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Journal Title
Am J Ophthalmol.
Volume: 158
Pages: 550-556
DOI
Peer Reviewed
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