2013 Fiscal Year Research-status Report
標的化リポソーム新生血管阻害剤の開発:加齢黄斑変性の新規治療を目指して
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24592679
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
本田 美樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30348990)
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Keywords | ドラッグデリバリー / APRPG修飾リポソーム / Fasudil |
Research Abstract |
前年度選定したリポソームに抗新生血管作用を有すると報告されている薬剤(Fasudil)の内封を行った:APRPG修飾Fasudil内封リポソームの調製 まず、クロロホルムに溶解したDPPC、cholesterol、DPPG、およびDSPE-PEG2000-APRPG溶液を調製した。組成比がDPPC/cholesterol/DPPG/APRPG-PEG2000-DSPE = 10/5/1/1(モル比)となるように各脂質溶液をナスフラスコに分取後、エバポレーターで減圧下クロロホルムを留去し、脂質薄膜を形成させた。デシケーター内で1時間以上真空乾燥した後、250 mM硫酸アンモニウム水溶液(pH=3.0)を用いてDPPC濃度が30 mMとなるように水和した。液体窒素を用いて凍結融解を3回行い、65℃、10分間バス型ソニケーターで超音波処理した。その後、エクストルーダーを用いて孔径100 nmのポリカーボネートメンブレンフィルターを5回通過させ、リポソームの粒子径を調整した。リポソームの粒子径とζ電位を用いて測定した。その後、溶媒を置換するため、遠心チューブにリポソーム溶液を移し、453,000 × gで30分間超遠心した。上清を除去した後に超純水にて再懸濁し、さらに15分間の超遠心を2回繰り返した。計3回の超遠心後に上清を除去し、PBS (-)(pH=7.4)で再懸濁した。そして、PBS に溶解したFasudil溶液を750 µg/mLとなるように加え、65℃、30分間振とうインキュベート(600 rpm)することで、Fasudilをリポソームの内水相に封入した。インキュベート後、内封されなかった遊離のFasudilを除去し、粒子径およびζ電位を測定した。なお、リポソームへのFasudil内封量は吸光度(λ=320 nm)から算出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Fasudilのリポソームへの内封を上述のリモートローディング法により行ったところ、約70%の内封率が得られた。本研究を始めた当初は、リポソーム外水相の硫酸アンモニウム水溶液を除去の操作は、15分間の超遠心(453,000 × g)を一回だけで実施していた。しかし、この方法では、Fasudilの内封率が約20-30%とかなり低かった。Fasudilのリモートローディング法による内封方法の駆動力には、内水相と外水相との間の硫酸アンモニウムの濃度勾配が重要であることがこれまでに報告されている(Gupta, V. et al. J. Control. Release, 2013, Ishida, T. et al. Int. J. Pharm, 2002)。そこで、1回の超遠心では、リポソーム外水相に存在する硫酸アンモニウム水溶液の除去が不十分であったと考え、上記プロトコールにしたがって超遠心、再懸濁の操作を3回繰り返し、硫酸アンモニウム水溶液の除去を徹底した。その結果、Fasudilの内封率が約70%と大幅に改善した(70.4 ± 13.6, n=3)。リポソームへのFasudilの内封には、外水相の硫酸アンモニウムの完全な除去が重要であることが判明し、最終的にFasudil内封率が約70%のAPRPG修飾Fasudil内封リポソームの調製に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今回調整を行ったAPRPG修飾Fasudil内封リポソームをラット実験的CNVモデルに硝子体内注入、点眼及び結膜下注入を行い、新生血管抑制効果の検討を行う。また薬剤投与後、眼内での薬物動態をどの様な方法で行うのが良いのかを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度購入予定であったデータ解析用コンピュータの購入を次年度に購入することに変更した。また、学会の開催が、東京・横浜(横浜出張の場合は出張費・旅費申請を行わなかった)などが多く、学会に伴う費用の出費を少なくすることが可能であった。 データ解析用コンピュータの購入、実験計画に伴う実験動物・試薬等の購入、学会出張に伴う出費、論文執筆と投稿に伴う費用とする予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Intravitreal Aflibercept Injection for Macular Edema Resulting from Central Retinal Vein Occlusion: One-Year Results of the Phase 3 GALILEO Study.2014
Author(s)
Korobelnik JF, Holz FG, Roider J, Ogura Y, Simader C, Schmidt-Erfurth U, Lorenz K, Honda M, Vitti R, Berliner AJ, Hiemeyer F, Stemper B, Zeitz O, Sandbrink R; GALILEO Study Group.
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Journal Title
Ophthalmology
Volume: 121(1)
Pages: 202-208
DOI
Peer Reviewed
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