2013 Fiscal Year Research-status Report
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24592680
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中町 智哉 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 助教 (30433840)
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Keywords | PACAP / ドライアイ / 涙液分泌 / 角膜上皮 / マウス |
Research Abstract |
ドライアイは涙液の量的または質的な異常により引き起こされる角膜上皮傷害と定義される疾患である。現在、ドライアイ治療として人工涙液や自己血清点眼治療などが行われているが、その効果は短期間のみであることから、より効果的なドライアイ治療薬の創出が切望されている。また、ドライアイの原因解明および治療法を開発するためにはドライアイモデル動物を用いた解析が必要不可欠であるが、現在までに有用なドライアイモデル動物は十分に確立されていないのが現状である。申請者はこれまでに下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)の遺伝子欠損(KO)マウスが角膜表面の角質化と涙液分泌低下というドライアイ様症状を呈すること、さらにPACAPをマウスに点眼することにより涙液分泌を促進させることを見出した。さらに昨年の課題において、PACAPが涙腺組織の涙液産生細胞である腺房細胞に作用し、水チャネルであるアクアポリン5を細胞膜から細胞質に誘導することにより涙液分泌を促進することを報告した。今年度は涙腺組織ではなく角膜組織に着目し、PACAP点眼による角膜治癒促進効果の評価を行った。マウスに生検用パンチにより角膜上皮のみ円形に剥離し、その後の角膜上皮修復過程においてPACAPを2時間おきに連続点眼したところ、PACAP点眼群では生理的食塩水点眼群と比較して有意に角膜上皮の修復が促進した。マウスの角膜上皮におけるPACAP受容体の発現をPCR法および免疫染色法により確認したところ、PACAP受容体であるPAC1RのmRNAが角膜上皮由来のトータルRNAより検出され、PAC1R免疫陽性反応が角膜上皮基底部に観察された。以上の結果から、PACAPは角膜上皮に作用し、角膜の保護・再生を促進する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画当初予定していたPACAPによる涙液分泌促進機構に関する研究は既に十分な成果が得られており、また角膜上皮傷害に対する作用に関しても実験系の確立を終え、PACAPによる角膜上皮再生促進作用の評価にまで至っていることから、予定通り実験計画が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度として、PACAPによる涙液分泌促進作用と角膜上皮再生促進作用がお互いにどのように相互作用しているのかを明らかにする。 さらにPACAP遺伝子欠損マウスを用いることにより、内因性PACAPが角膜上皮再生促進作用に関連しているかどうかを解析し、さらにヒト角膜上皮細胞を用いたPACAPの角膜上皮への影響を評価する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度行う予定であった培養細胞を用いた角膜傷害モデルの作出が安定しなかったため、予定していた分子生物学的解析などに関する試薬の購入を差し控えた為に残金が発生した。 次年度は使用する角膜培養細胞を別のセルラインに変更することを優先する。 さらに最終年度ということで、これまでの業績を発表する国際学会などへの旅費などにも一部補填し、論文投稿に関する費用にも充てる予定である。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] PACAP attenuates NMDA-induced retinal damage in association with modulation of the microglia/macrophage status into an acquired deactivation subtype.2013
Author(s)
Wada Y, Nakamachi T, Endo K, Seki T, Ohtaki H, Tsuchikawa D, Hori M, Tsuchida M, Yoshikawa A, Matkovits A, Kagami N, Imai N, Fujisaka S, Usui I, Tobe K, Koide R, Takahashi H, Shioda S.
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Journal Title
Journal of Molecular Neuroscience
Volume: 51(2)
Pages: 493-502
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Expression and distribution of pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide receptor in reactive astrocytes induced by global brain ischemia in mice.2013
Author(s)
Nakamachi T, Farkas J, Kagami N, Wada Y, Hori M, Tsuchikawa D, Tsuchida M, Yoshikawa A, Imai N, Hosono T, Atrata S, Shioda S.
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Journal Title
Acta Neurochirurgica Supplement
Volume: 118
Pages: 55-9
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Expression and localization of IL-6 and PACAP receptor in mouse brain after global ischemia.2013
Author(s)
Nakamachi, T., Kagami, N., Hori, M., Yoshikawa, A., Sugiyama, K., Imai, N., Seki, T., Arata, S., Shioda, S.
Organizer
Neuroscience 2013, Society for Neuroscience's 43rd annual meeting.
Place of Presentation
San Diego, CA
Year and Date
20131109-20131113
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[Presentation] マウス硝子体内へのPACAP投与による網膜保護効果と局所免疫環境変化についての検討2013
Author(s)
中町智哉, 和田悦洋, 関 保, 堀 元英, 吉川輝, 土田将史, 杉山公一, 加賀美信幸, 今井ノリ, 荒田悟, 塩田清二
Organizer
第38回日本比較内分泌学会大会・第40回日本神経内分泌学会学術集会合同大会
Place of Presentation
宮崎
Year and Date
20131024-20131026
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