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2013 Fiscal Year Research-status Report

緑内障に伴う網膜の免疫反応とPACAPの保護作用

Research Project

Project/Area Number 24592681
Research InstitutionShowa University

Principal Investigator

關 保  昭和大学, 医学部, 兼任講師 (10245855)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中町 智哉  富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 助教(Research Associate) (30433840)
Keywords緑内障 / PACAP / マイクログリア / マクロファージ
Research Abstract

緑内障は進行性の網膜神経節細胞死と定義される。現在、緑内障に対する効果が確立されているものは降眼圧治療のみであるが、これに抵抗性の緑内障も存在するため、網膜神経細胞を保護する薬剤の開発が望まれている。これまでに申請者らは野生型マウス及びヘ
テロ型PACAPKOマウスを用いてNMDA硝子体内投与による緑内障モデルを作成し、網膜神経節細胞死を評価したところ、ヘテロ型PACAP遺伝子欠損マウスではNMDA投与後の網膜障害が野生型と比較して有意に増加することを報告した。さらに、NMDA投与後の網膜では内顆粒層におけるBrdU標識細胞が有意に増加し、それらBrdU細胞のほとんどがマクロファージ/マイクログリアマーカーであるIba-1陽性反応と局在が一致した。網膜内マクロファージ/マイクログリア数と神経節細胞生存数には有意な正の相関関係が認められたことから、本年度はPACAPの網膜保護作用と網膜内で増加するマクロファージ/マイクログリアの関係に焦点を当てて研究を進めた。NMDA投与後の網膜において、PACAPの投与により坑炎症作用を持つマクロファージ/マイクログリアのサブタイプであるacquired deactivation型の指標であるとされているTGF-β1とIL-10のmRNA量が優位に増加した。これらTGF-β1とIL-10免疫陽性反応は傷害網膜においてマクロファージ/マイクログリアマーカーと重なった。さらにIL-10遺伝子欠損マウスではPACAPによる網膜保護効果とマクロファージ/マイクログリア数増加作用が減弱された。以上より、PACAPが網膜内のマクロファージ/マイクログリアを増加させ、活性化状態を神経保護に有利なサブタイプへ誘導することにより網膜を保護していることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年までに明らかにしたPACAPの網膜保護作用とマクロファージ/マイクログリア数の関連性についてさらに解析を進め、PACAPの網膜保護作用の新たな機構として1)網膜内マクロファージ/マイクログリア活性化状態を保護的に変える、2)保護的なマクロファージ/マイクログリアを網膜内に選択的に浸潤させる、のどちらかの経路が存在することを示唆するデータが得られ、PACAPが神経細胞に直接作用する経路以外に、免疫系を介した作用を示すことを明らかにした。当初の計画通り実験が進行している。

Strategy for Future Research Activity

今年度までの研究成果により、PACAPの網膜保護作用がマクロファージ/マイクログリアの免疫作用を介しているのことが明らかとなったが、PACAPがどの細胞に、またどのようにマクロファージ/マイクログリアの免疫作用を調整するのかはまだ不明である。またマクロファージ/マイクログリアがどのように作用して網膜保護に働くのかもまた不明である。来年度はそのメカニズムについて詳細な解析を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本年度の実験計画ではB細胞を持たない遺伝子組み換え動物を購入・繁殖させて実験を行う予定であったが、得られた実験結果より野生型動物を用いたほうが免疫細胞とPACAPの役割に関してより本質的で臨床に近い研究となることが明らかとなった。そのため遺伝子組み換え動物の購入・維持・繁殖にかかかる費用が必要なくなったため。
本年度は遺伝子組み換え動物の代わりに、in vivoでsi-RNAを用いて免疫細胞の活性化に関わる因子をコンディショナルにノックアウトする実験を行う予定である。次年度使用額はこの研究に使用する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] PACAP attenuates NMDA-induced retinal damage in association with modulation of the microglia/macrophage status into an acquired deactivation subtype.2013

    • Author(s)
      Wada Y, Nakamachi T, Endo K, Seki T, Ohtaki H, Tsuchikawa D, Hori M, Tsuchida M, Yoshikawa A, Matkovits A, Kagami N, Imai N, Fujisaka S, Usui I, Tobe K, Koide R, Takahashi H, Shioda S.
    • Journal Title

      J Mol Neurosci.

      Volume: 51 Pages: 493-502

    • DOI

      10.1007/s12031-013-0017-5.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Expression and localization of IL-6 and PACAP receptor in mouse brain after global ischemia2013

    • Author(s)
      Nakamachi T, Kagami N, Hori M, Yoshikawa A, Sugiyama K, Imai N, Seki T, Arata S, Shioda S
    • Organizer
      Society for Neuroscience's 43rd annual meeting
    • Place of Presentation
      San Diego, CA, USA
    • Year and Date
      20131109-20131113
  • [Presentation] 緑内障モデルマウスを用いたPACAPの網膜保護機構の検討~マイクログリア/マクロファージの関与~2013

    • Author(s)
      中町 智哉、和田 悦洋、 関 保、 加賀美 信幸、 今井 ノリ、 荒田 悟、 塩田 清二
    • Organizer
      第60回日本実験動物学会総会
    • Place of Presentation
      つくば市、茨木
    • Year and Date
      20130515-20130517

URL: 

Published: 2015-05-28  

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