2012 Fiscal Year Research-status Report
視神経軸索障害におけるγセクレターゼとオートファジーの分子制御機構の解明
Project/Area Number |
24592683
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
北岡 康史 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10367352)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 緑内障 / TNF / γセクレターゼ / オートファジー / 視神経 / プレセニリン / APP / GFAP |
Research Abstract |
ラットTNF誘発視神経障害モデルを用いて、γ-セクレターゼの構成因子であるPS1の局在を免疫染色で検討した。PS1は視神経では核に存在し、グリアの核であると考えられ、さらに二重染色によりアストログリアの核に存在することが判明した。リン酸化PS1の発現の変化をウェスタンブロットで検討した。TNF硝子体注射後1週後2週後の視神経において、リン酸化PS1は上昇していた。アミロイド前駆蛋白(APP)の局在を検討した。APPも視神経ではアストログリアに存在していることが判明した。次に6E10抗体を用いて視神経をサンプルに免疫沈降法を行い、AICDでウェスタンブロットを行った。TNFによりCTFβが減少したことで、APPの特異的部位での切断を確認した。Notch-sparingγ-セクレターゼ阻害剤であるBMS299897によりその切断は抑制された。更にBMS299897投与により、TNF誘発視神経障害での軸索が影響を受けるかを検討した。TNFにより2週間後に軸索数減少が確認され、BMS299897によりその減少は有意に抑制された。以上により、視神経軸索障害にリン酸化PS1の上昇とγ-セクレターゼ活性の上昇が関与しており、その抑制により軸索保護効果を得ることが判明した。つまり、今まで神経保護と言えば網膜神経節細胞の因子が重要視されてきたわけだが、グリア側の因子も軸索保護には重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
γセクレターゼを調節することで、視神経軸索保護が得られることが判明し、その過程でグリア細胞の因子の重要性が明らかとなった。これらの成果も論文化することができた。またオートファジーを誘導することでp-PS1が影響をうけるデータがでつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
現在オートファジーとγセクレターゼやその構成因子の関係を研究しており、今後γセクレターゼ阻害薬で、p63やLC-3が影響を受けるかを、視神経や網膜神経節細胞で検討していく。更にオートファジー誘導で、他の軸索内物質とグリア因子が影響を受けるかを明らかにしていく。またRGC-5も使用し、オートファジックfluxの検討もしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究は一貫して持続中であり、定期的に動物購入や、試薬の購入が発生している状態である。次年度も引き続き適切な使用に努めていく。
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