2012 Fiscal Year Research-status Report
マウス網膜変性モデルの異なる病期におけるシート網膜移植及び細胞移植の比較検討
Project/Area Number |
24592688
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
万代 道子 独立行政法人理化学研究所, 網膜再生医療研究開発プロジェクト, 副プロジェクトリーダー (80263086)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 網膜変性 / 組織移植 / 立体分化培養 |
Research Abstract |
Nrl-GFPトランスジェニックマウス由来iPS 細胞及びRX-GFPマウスES細胞より、効率よく再現性をもって網膜組織を立体分化培養する方法を確立した。次にこれらの分化組織を網膜の胎生分化段階と比較して、培養系における分化日数と分化段階の関係を検討した。その後、異なる分化段階の組織を末期網膜変性モデル(rdマウス)に移植し、移植片の成熟、生着、シナプス形成の可能性について検討した。分化13日令前後の早期移植では、網膜の全細胞が分化してくる可能性が示唆された。また、いずれの分化段階の組織においてもロドプシン強発現を特徴とする視細胞の成熟がみられ、視細胞層の形態を維持して生着したものでは、形態的な成熟を示す外節の形成がみられた。分化段階の20日以降では移植細胞の形態は崩れる傾向がみられ、細胞移植と似たような生着像がみられた。構造を維持して生着したものはより長期の生着が確認され、外節の形成と生着期間において、組織移植は細胞移植に勝っていると考えられた。また、外節の構造については電顕観察においても、自然発生で見られるものとほぼ遜色内と思われた。分化14日以降の組織移植において免疫組織学的にホストーグラフト間でシナプス形成をしている可能性が示唆された。また、多電極アレイシステムを用いて、移植後ホスト網膜をとりだして還流下測定すると、移植片由来と思われる光応答が観察されたが、ホストとのつながり/ホスト網膜の機能回復という意味では今後詳細な検討を要する。 また、CD73/CD25抗体を用いて適切な発生段階と思われる視細胞集団をフローサイトメトリーで同定した。これらを含む細胞移植を行ったが、生後網膜から調整した細胞移植に比べ分化した細胞移植ではやや生着が悪く、培養条件下における環境の違いが、細胞調整の負荷に弱い印象が伺え、細胞移植に関しての培養条件については今後検討を要すると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りに進行しいる。機能解析についてはさらに次年度詳細な検討を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
1. ホストモデルマウス(crx-/-)のB6へのかけもどしとB6系統のrdの繁殖については進行中であり、ホスト準備が整えば、ホストxグラフト間の適合性について調べる。この時、ホスト側の異なる変性過程での移植生着なども検討していく。この時、培養組織にはマイクログリアなどを含まないため、その事に起因する拒絶の違いがあるかどうかも併せて検討する。 2. ホスト環境の調整因子としての移植時添加因子などについて、細胞移植の時に有効であった因子を中心に、組織移植での生着効果を検討する。指標としては免疫染色によるシナプス形成にての判定を試みる。 3. グラフトーホスト間の機能的シナプス検証については多電極システムによるより詳細な検証を行う。また、シナプス形成の確認に、移植細胞を抗体ラベルすることにより、免疫電顕による観察をこころみる。 4. 細胞移植を行った時に、分化培養から調整した細胞は生着が不良であったという初年度のデータより、生後網膜から調整した細胞との違いについて考察し、分化培養における培養条件を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Developing Rods Transplanted into the Degenerating Retina of Crx-knockout Mice Exhibit Neural Activity Similar to Native Photoreceptors.2013
Author(s)
Kohei Homma, Satoshi Okamoto, Michiko Mandai, Norimoto Gotoh, Harsha K Rajasimha, Yi-Sheng Chang, Shan Chen, Wei Li, Tiziana Cogliati, Anand Swaroop, Masayo Takahashi
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Journal Title
Stem Cells
Volume: 10.1002/stem.1372
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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