2013 Fiscal Year Research-status Report
グラフト肝虚血再灌流障害の飛躍的改善:間葉系幹細胞導入による臓器保存液の開発
Project/Area Number |
24592694
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡本 晋弥 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00329377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上本 伸二 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40252449)
寺谷 工 自治医科大学, 医学部, 講師 (70373404)
藤本 康弘 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80335281)
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Keywords | 小腸移植 / 臓器保存 / 間葉系幹細胞 / exosome |
Research Abstract |
先に報告したように、我々のグループでは、門脈投与した間葉系肝細胞(Mesenchymal stem cells: MSCs)が、肝臓において虚血再還流障害の抑制につながることを示し(Kanazawa H, 2011)、また他研究グループの検討から、MSCsにより臓器移植に伴う拒絶反応の抑制や免疫寛容が誘導される可能性があると考え、研究を開始した。初年度の、MSCsを含む各種培養細胞上清よりExsomeを分離採取する技術を確立したが、これについては、同系異種細胞間での免疫反応の抑制が認められることまでは既に示した。それらをうけて、今年度は、ラット肝移植モデルでの検証を進めるべく、ラット肝移植モデルを安定して運用できるよう実験をすすめている。ドナーLewラットより全肝を摘出し、ET-Kyoto液に保存後、同系ラットに移植するモデルを作成中である。レシピエントラットでは、全肝臓を切除し、グラフト肝を同部に間置する同所性モデルとした。臨床での生体部分肝移植をイメージし、部分肝移植モデルとしている。具体的にはbacktableで肝を80%切除し、血管系は、肝上部下大静脈、肝下部下大静脈ともレシピエントの下大静脈に手縫いにて吻合している。施行時期により生存が若干不安定となるが、原因は主として、バックテーブルにおける、肝のハンドリングにあることがわかってきた。Exosomeの投与ルートについては、保存液中、ないしはレシピエント静脈投与にて検討予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度でexosome抽出ができていること、2年目で、動物実験モデルの部分肝移植モデルの作成にほぼ目処がついたこと、から上記区分になると考えています。
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Strategy for Future Research Activity |
全肝移植での長時間保存グラフトに対する改善効果、部分肝移植でのグラフト再生促進効果につき検討する。ET-Kyoto液にexosomeを添加し、ドナー肝臓を保存、その後レシピエントラットに移植して生存率や血液生化学データ等にて評価を行う。上記の条件で、コントロール群、study群とも効率に死亡する場合は、長時間保存実験においては、保存時間の短縮にて対応する。部分肝移植モデルについては、切除率の低減で対応予定である。
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Research Products
(2 results)