2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592697
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林田 真 九州大学, 大学病院, 助教 (70452761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 智章 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20197247)
柳 佑典 九州大学, 大学病院, その他 (30596664)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 胆道閉鎖症 / 小児外科 / 成因 |
Research Abstract |
胆道閉鎖症は現在においても解決すべき問題が多く残された疾患であり、病因として様々な仮説が提唱されてきたが、いずれも胆道閉鎖症の発生を十分に説明するにはいたっていないのが現状である。GVHDと胆道閉鎖症との類似性より、母体より移入した母親由来の細胞がGVHD様反応を引き起こし、形成されていた胆管を傷害し胆管が閉鎖するということを仮説とし、児の肝における母親由来の細胞(maternal micrichimerism)を検索する。胆道閉鎖症の成因とmaternal microchimerismの関連を検討するため、胆道閉鎖症初回手術時に得られる肝生検標本と肝門部肝管・胆嚢・総胆管標本を使用しmicrochimerismの証明を行った。パラフィン包埋肝生検標本を用いFluorescent in situ hybridization(FISH)を用いたchimera細胞の検出を確立し、新規胆道閉鎖症症例の標本保存とスライド作成を行いFISHにてmicrochimerismの検索し、BA群(n=6)、non-BA群(n=6)手術時年齢、年齢、肝機能(AST, ALT,T-Bil, D-Bil)はBA群、non-BA群において統計学的有意差を認めなかった。細胞1,000中のchimerism率はBA群3.00±0.75、non-BA群1.00±0.50と有意にBA群が高い結果となり(P=0.005)、コントロールに比べ高頻度で存在することを証明した。また、自治医科大学にいては生体肝移植症例(胆道閉鎖症、非胆道閉鎖症)約50例の摘出肝標本の収集と標本作製を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肝組織標本の線維化が強く、正確に評価可能な標本の作成が困難を極める。 また、マイクロダイセクション用の標本も適切な厚みに関して模索している段階である。 HLA多型を用い、患児由来の組織より抽出したDNA内に母親由来のDNAが存在するかどうかを定量的PCRにより測定する実験系の確立に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
Chimera細胞の分布と頻度に関する検討をすでに確立しているFISHを用いた方法で行うことも考慮している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
胆道閉鎖症症例の初回葛西手術時の総胆管remnant標本、および、肝組織内におけるChimera細胞の分布と頻度に関する検討のため、マイクロダイセクションを用いた肝内Chimera細胞の分布を検討するため、マイクロダイセクション用の標本作製。FISHを用いたマイクロキメリズム解析を行う。
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