2014 Fiscal Year Annual Research Report
組織工学と多能性幹細胞の腸管分化誘導技術を融合した新しい腸管移植法の開発
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24592699
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
金廣 裕道 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (30204580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 剛 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (40526810)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 多能性幹細胞 / 腸管分化誘導 / iPS細胞 / 脂肪由来幹細胞 / 短腸症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは、ES細胞やiPS細胞を含む培養液をdishの蓋に吊り下げて行う懸垂培養Hanging drop cultureで胚様体を形成し、この胚様体を用いて、粘膜、平滑筋、ICC、神経細胞などの三胚葉系を有する腸管特異的な組織で構成される蠕動運動を呈する腸管臓器の分化誘導を以前より行ってきた。しかしながら分化誘導された腸管組織は、胎生期に近い腸管構造で、血管、リンパ管といった脈管系が存在せず、in vitroでの長期培養は困難であり、移植用腸管として使用できる状況にはない。 脂肪由来幹細胞(ADSC:Adipose-derived stem cell)は、血管新生因子であるVEGF(Vascular endothelial growth factor)を産生し、またADSC自体は低酸素状態でVEGFとの産生を上昇させることもわかっており、虚血領域にても血管新生するというメカニズムが考察されている。 ADSCの血管新生因子の産生と、ADSC自身が有する血管内皮細胞への分化能を有する点に着目し、組織工学のシート技術を融合し、ADSCから腸間膜構造の作成を試みた。ADSCを脂肪分化誘導培地で培養すると、脂肪細胞が誘導でき、Oil red O染色で脂肪細胞であることを確認した。また血管内皮細胞で発現するCD31も発現するが、血管構造の構築には至らなかった。シート状に培養し、重層化したが結果は同様であった。よって、in vitroで満足のゆく臓器としての腸間膜構造を構築することは困難であった。さらに、胚葉体の付着培養の際に血管新生と周囲に腸間膜構造を誘導するべくADSCとの共培養を行った。しかしながら、血管構造、腸間膜構造ともに確認することはできなかった。 よって、in vitroのみで分化誘導された腸管組織を長期培養し、移植可能となるまでの組織を誘導することはできなかった。
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[Presentation] IBD合併癌(Colitic Cancer)のサーベイランスと治療 本邦報告例集積からみたクローン病合併直腸肛門部癌の特徴 cancer surveillanceに向けた検討2014
Author(s)
植田 剛, 小山 文一, 中川 正, 中村 信治, 錦織 直人, 井上 隆, 川崎 敬次郎, 尾原 伸作, 中本 貴透, 藤井 久男, 中島 祥介
Organizer
第69回日本大腸肛門病学会学術集会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
2014-11-07 – 2014-11-08
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