2012 Fiscal Year Research-status Report
壊死性腸炎に対する脱分化脂肪細胞(DFAT)を用いた新規治療法の開発
Project/Area Number |
24592701
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
池田 太郎 日本大学, 医学部, 助教 (00318396)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉藤 公信 日本大学, 医学部, 助教 (10328750)
松本 太郎 日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
小沼 憲祥 日本大学, 医学部, その他 (50553103)
越永 從道 日本大学, 医学部, 教授 (70205376)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 脱分化脂肪細胞 / 壊死性腸炎 / DFAT |
Research Abstract |
rat DFATにおける抗炎症性サイトカインの発現の確認を目的として、炎症時に発現するといわれているIL-1β、TNFα、IFNγ、IL-13、IL-5のサイトカインを用いてrat DFATを刺激した。EGF、HGF、TGFβ、IL-10、PGE2といった抗炎症性サイトカインの遺伝子発現をreal time PCR法を用いて検討した。結果、rat DFATはIFNγの刺激によって、EGF、HGF、TGFβ遺伝子発現の有意な上昇を認めた。また、TNFαの刺激によって、IL-10、PGE2遺伝子発現の有意な上昇を認めることが明らかになった。 また、低酸素が原因の1つと考えれれている壊死性腸炎に対して、DFAT投与による病態の改善を検討した。既存の報告では、幹細胞は低酸素条件下において、細胞サイクルが上昇し、増殖能の上昇を認めるため、rat DFATを低酸素(3% O2、5% CO2)条件で培養し、通常培養した細胞と、細胞数、細胞の形態について検討を行った。3日間の培養期間で継時的変化を検討したが、細胞数、細胞形態に関して明らかな差を認めることはできなかった。そこで、形態変化に至らずとも、RNAの発現に変化がみられる可能性を検討するために、同様の条件におけるSDF-1、Hif1α、CXCR7、VEGFの遺伝子発現をreal time PCR法を用いて検討した。 rat壊死性腸炎モデルの作製を既存の報告に従い試みた。母体からの早期出産、出産後における低酸素暴露とともに、LPS(リポポリサッカライド)の経口投与によって壊死性腸炎を誘発することは可能であったが、コントロールとしての安定したモデル作製が困難であり、DFAT投与による検討には至らなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
rat DFATに対する低酸素暴露の評価が、細胞数、細胞の形態では困難であった。そのため、RNAによる発現の変化がみられる可能性を検討するため、SDF-1、Hif1α、CXCR7、VEGFの遺伝子発現をreal time PCR法を用いて検討する必要があった。 また、rat壊死性腸炎モデルの作製を既存の報告に従い試みた。母体からの早期出産、出産後における低酸素暴露とともに、LPS(リポポリサッカライド)の経口投与によって壊死性腸炎を誘発することは可能であったが、コントロールとしての安定したモデル作製が困難であったことなどから、遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
rat DFATの低酸素培養に関して、培養細胞数、低酸素の濃度(1%、3%、5% O2)暴露時間(12時間、24時間、36時間、48時間など)等、引き続き最適条件の検討を加えていく。 rat壊死性腸炎モデルの作製に関して、引き続きモデル作製を行い、頭数を重ねることでモデルの安定性を検討していく。また、安定したモデル作製ができれば、rat DFATを投与して、細胞治療の効果を検討していく。 また、当施設において動物モデルの作製が困難であった場合、外部業者への委託が可能であるか検討する。さらには、上腸間膜動脈の結紮による、腸管虚血モデル等の代替モデルによる評価を検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
|