2014 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫におけるTrkBを標的とした新規治療薬の探索とその機能解析
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24592703
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
中村 洋子 千葉県がんセンター(研究所), がん予防センター, 主席研究員 (60260254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川原 章 千葉県がんセンター(研究所), その他部局等, 参与 (50117181) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経芽腫 / TrkB / 低分子化合物 / BDNF / 細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
予後不良な神経芽腫で発現の高い遺伝子TrkB(神経栄養因子受容体)のBDNF (Brain-derived Neurotrophic Facter) が結合する領域を標的分子として、すでに300万個の候補低分子化合物仮想ライブラリーから、インシリコで60個の低分子化合物をスクリーニングした。その結果候補となった低分子化合物の中で、細胞増殖抑制能に影響を与える化合物をさらにスクリーニングし、がん細胞の増殖抑制や分化制御に関わる最適化合物の探索を行い、その作用機序を解明することを目的として過去2年間解析を進めてきた。 平成24-25年度までの実験から、インシリコでスクリーニングされた低分子化合物のうち、細胞増殖抑制能および抗腫瘍効果が顕著に認められた低分子化合物を見出した。また、その作用機序はTrkBシグナル伝達経路により生じていることが示唆された。 今年度は、インシリコでスクリーニングされた低分子化合物60個のうち入手可能な化合物37個について、神経芽腫細胞株[SH-SY5Y/TrkB(TrkB過剰発現細胞株)]に対する細胞増殖能を検討したところ、化合物処理(10μM)に伴って細胞増殖能が顕著に認められた化合物は2個であった。さらにこの2化合物について、細胞の集密度をIncuCyteで測定し細胞増殖率の指標とした。処理濃度は0~1.0μMである。その結果、低分子化合物処理によりSH-SY5Y/TrkB細胞の増殖を促進することが判明した。当該化合物がTrkBシグナル活性を誘導するか検討するため、低分子化合物(0.03-1μM)をマウスの腹腔内に投与し、マウスの大脳皮質および海馬より蛋白質を抽出しウエスタンブロット法を行った。その結果、低分子化合物処理によりTrkB、AKTおよびERKのリン酸化が顕著に認められTrkBシグナルを活性化することが示唆された。インシリコによりスクリーニングされた低分子化合物より、TrkBを発現している細胞の増殖を促進または抑制する化合物を見出すことが出来た。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] NCYM, a Cis-antisense gene of MYCN, encodes a de novo evolved protein that inhibits GSK3β resulting in the stabilization of MYCN in human neuroblastomas.2014
Author(s)
Suenaga Y, Islam SM, Alagu J, Kaneko Y, Kato M, Tanaka Y, Kawana H, Hossain S, Matsumoto D, Yamamoto M, Shoji W, Itami M, Shibata T, Nakamura Y, Ohira M, Haraguchi S, Takatori A, Nakagawara A.
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Journal Title
PLoS Genet.
Volume: 10
Pages: e1003996
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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