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2012 Fiscal Year Research-status Report

慢性創傷におけるNKT細胞機能の解明とその制御による新たな治療法の確立

Research Project

Project/Area Number 24592705
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

古和田 雪  東北大学, 大学病院, 助教 (90623190)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 菅野 恵美  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10431595)
川上 和義  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10253973)
館 正弘  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50312004)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords創傷治癒学 / NKT細胞 / 感染
Research Abstract

慢性創傷では細菌感染により炎症期が遷延し、治癒が進行しない症例をしばしばみかける。炎症期には大量の白血球が浸潤してくるが、その中でもリンパ球の働きには不明な点が多い。本研究では、リンパ球の中でも感染制御に深く関与し、強力な免疫増強効果を有するNatural Killer T (NKT)細胞に注目し解析を行った。
平成24年度はNKT細胞が創傷治癒過程にどのように関与するかを解明するため、野生型マウスとNKT細胞欠損マウスを用い、NKT細胞欠損が治癒過程(創閉鎖、筋線維芽細胞の分化、コラーゲン合成)、炎症反応(炎症性細胞集積、サイトカイン産生)に与える影響を解析した。その結果、野生型マウス(WT)と比較し、Jα18遺伝子欠損(NKT細胞欠損)マウスで、創作成3、7日目の創閉鎖率の有意な遅延、コラーゲン合成量を示す創部ハイドロキシプロリン量、およびCOL1A1のmRNA発現の低下を認めた。また、WTマウスと比較し、NKT細胞欠損マウスでは、創作成3、7日目に創収縮に関与するα-SMA陽性細胞数の有意な低下、血管内皮細胞のマーカーであるCD31陽性細胞数の有意な低下を認めた。加えて、WTマウスと比較しNKT細胞欠損マウスでは、NKT細胞の産生する炎症性サイトカインのうち、創部におけるIFN-γとIL-4産生の有意な低下を示した。
以上のことから、創傷治癒過程においてNKT細胞は創収縮、血管新生、コラーゲン合成に関与することが明らかとなった。
次年度は、NKT細胞を活性化させるα-galactosylceramide (α-GalCer)を用いて、糖尿病マウスや免疫抑制剤により免疫を抑制したマウスにおいて、NKT細胞を活性化させることにより、遅延した治癒速度が回復するかどうかの検討を行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

予定通りに実験・解析を実施し、学会発表を行うと共に、得られた結果の一部を論文化し投稿中であるため、順調な進展であると考える。

Strategy for Future Research Activity

創傷治癒とNKT細胞に関する報告は、世界的にも一報に限られる。また、我々が得た結果とすでに報告されている論文は相反する結果を示している。
現在、様々な分野において、疾患と炎症反応の関連性が注目を集めている。我々が注目しているNKT細胞も炎症制御に関与する重要なリンパ球の一つであり、創傷の慢性化に関与している可能性が非常に高い。よって、NKT細胞と創傷治癒との関連を明らかにすることにより、謎が多い創傷慢性化のメカニズムを説き明かせると考える。
そこで、国内外の創傷関連学会、および免疫学会に参加し、創傷および炎症反応の第一人者である先生方とディスカッションする機会を活用し、研究の発展に繋げたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今年度の研究を効率的に推進したことにより、課題把握のため、文献検索と当該分野の学会に参加し、情報収集を行う。実験計画・実験に関しては、平成24年度の計画を見直し、問題点の修正、改善を行った後、研究計画を立案する。これまで得た結果をもとに、ストレプトゾトシン投与により糖尿病を誘導してマウスやα-GalCer投与によりNKT細胞を活性化させたマウスモデルを用いて、創傷におけるNKT細胞の関与をより明確にする。
得られた結果について、当該分野の国内・国外学会にて研究成果の発表を行い、論文として公表する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 Other

All Presentation (2 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] マウス皮膚創傷治癒過程とNatural Killer T細胞: IFN-γとIL-4の関与について2012

    • Author(s)
      丹野寛大, 川上和義, 立雅恵, 菅野恵美, 石井恵子, 林殿聡, 丸山良子, 館正弘
    • Organizer
      第42回日本創傷治癒学会
    • Place of Presentation
      札幌
    • Year and Date
      20121202-20121204
  • [Presentation] Role of invariant natural killer T cells in the skin wound healing2012

    • Author(s)
      Hiromasa Tanno, Kazuyoshi Kawakami, Emi Kanno, Denso Hayashi, Keiko Ishii, Ryoko Maruyama, Masahiro Tachi
    • Organizer
      4th Congress of the World Union of Wound Healing Societies
    • Place of Presentation
      Yokohama, Japan
    • Year and Date
      20120902-20120907
  • [Remarks] 東北大学大学院医学系研究科 形成外科学分野

    • URL

      http://www.prs.med.tohoku.ac.jp/

URL: 

Published: 2014-07-24  

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